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2008年07月01日(火) 17時11分

食中毒の原因は、アジサイの葉っぱだったオーマイニュース

 「一緒に行こうって言っていたレストランが食中毒を出して営業停止になったって。今朝の新聞に記事が載っているから読んでみて!」

 先日、友人からとってもおいしいレストランがあるから、食べに行こう、と誘われて盛り上がっていた私。けれど、この友人の一報で、無残にもグルメの楽しみはお預けになってしまった。

 言われた通りに6月23日の朝日新聞・茨城版を見ると、確かに行こうと話していたつくば市のレストランは食中毒を出していて、6月22日から営業停止処分になっていた。なんという不幸な偶然なのだろう。

 でも驚くべきことは、食中毒の原因食材が、アジサイの葉っぱだったことだ。記事によると6月13日の夜、料理に添えられていたアジサイの葉を10人が食べ、そのうち8人が吐き気やめまいを訴えた。2人は病院で検査を受けたという。いずれも軽症ですんだらしい。

 アジサイの葉やつぼみ、根には、青酸配糖体と呼ばれる毒があり、かんだり、胃の消化酵素と反応すると吐き気やめまい、けいれんなどを起こして、最悪の場合は死に至ることもある。

 「いばらき食の安全情報」で詳しく調べてみると、レストランは、アジサイの葉を「鶏肉の梅しそあえ」に添えて出したそうだ。ということは、もしかしたら、しそと間違えて食べてしまったのかもれない。

 アジサイの葉には毒がある…… 果たして、どれくらいの人が知っていることだろうか。梅雨の時期、雨に打たれたアジサイはとても美しい。この時期、アジサイをかたどった和菓子なども多い。

 わが家でもお客さまがくると、庭からアジサイの葉を摘んできては、飾りとして料理やお菓子によく添えていた。もちろん、アジサイの葉が有毒植物だとは知らずに……。なんだか恐ろしい話である。

 茨城県では、春にスイセンの葉をニラと間違って食べて食中毒を起こした事件もあった。過去には、キョウチクトウの枝をおはし代わりにして中毒を起こしたケースもある。明治時代にも、西南戦争の官軍がキョウチクトウをはしとして使い食中毒を起こした。キョウチクトウは、100年以上たってもなかなか危険を認知されていないようだ。そのほかにも、すずらん、フクジュソウ、ヨウシュヤマゴボウ、ヒガンバナなどの身近な草花にも毒がある。

恥ずかしながら、私は、つい最近までレンゲツヅジに猛毒があるとは知らず、まして、食べられるヤマツツジと間違えていて、思わず食べてしまうところだった。最近は、食べられる野草ブームでもあるが、素人判断はかなり危険であると痛感した。

身近な植物による食中毒は、間違いによる誤食と有毒植物の無知の2つからなる。せめて最低限の毒草の知識は持ちたいと思う。

(記者:柳川 加奈子)

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