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2008年07月01日(火) 02時31分

<ウナギ偽装>高松の水産物業者から聴取 詰め替え関与で毎日新聞

 中国産ウナギの偽装問題で、兵庫、徳島両県警の合同捜査本部が30日、高松市内の水産物業者から任意で事情聴取したことが分かった。同市内では国産ウナギ用の段ボール箱への詰め替え作業が行われており、関与などについて聴いた模様だ。既に高知県南国市内の業者からも任意の事情聴取を始め、この業者が仲介役を果たしたと認めていることも判明した。

 徳島市に拠点を置くウナギ輸入販売会社「魚秀」の中谷彰宏社長(44)は、中国産ウナギを愛知県三河一色産の段ボール箱に詰め替えた作業について、「高松にある袋の詰め替え工場に運んでやった」と関係者に話している。その後の調べなどから、高松市の水産物業者が浮上。捜査本部は30日、高松市内で事情聴取した。

 事情を聴いたのは、農林水産省の立ち入り検査が始まった後の6月15日に水産卸販売会社を「一身上の都合」で退職した人物。同社によると、社内のウナギ取引は1人で仕切っていた。退職の際は、部下に「会社に迷惑をかけるかもしれない」と言い残していた。

 一方、工場での詰め替え作業について、中谷社長は「人の手配や作業の詳細は知らない」と説明。こうした経緯について、合同捜査本部は、仲介役とされる南国市にある水産物会社の役員からも事情聴取を始めている。

 この役員は6月10、13日に偽装が発覚した場合の対応を話し合った場に出席しており、13日には神戸市内のホテルの喫茶店で、神港魚類の担当課長(40)に「1億円出すから責任をかぶれ」と話したとされている。

 この役員は魚秀の非常勤役員も務めており、魚秀が神港魚類から偽装ウナギの代金7億円余りを受け取った際に伝票上の架空取引をした東京の商社1社に協力を依頼している。

 合同捜査本部は30日に発足。57人態勢で兵庫署に設置され、四国での捜査拠点は徳島東署に置き、ウナギを売買した徳島、兵庫以外にも複数県にまたがる偽装の構図の全容解明を進める。

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