記事登録
2008年07月01日(火) 08時00分

【Re:社会部】なるか、子供の国内移植産経新聞

 脳死による臓器提供を可能にする臓器移植法の改正の動きが再燃しています。臓器移植法は平成9年に施行されましたが、厳格な要件もあり、提供数は伸び悩んでいます。とりわけ問題となっているのが、子供への臓器提供です。15歳未満は臓器の提供者になれないため、子供の国内での移植の道は事実上閉ざされています。

 この11年間、活路を求めて、渡航移植をする子供は後を絶ちません。ただ、億単位の費用など問題があり、移植を受けられずに命を落とす子供も少なくありません。 3月の厚労省での会見で、海外での心臓移植を計画していた9歳の息子を亡くした福岡県の石川優子さんが「ドイツに連れていけなくてごめんなさい」と何度も話す言葉が耳に残っています。

 世界的な移植用の臓器不足などを背景に、頼みの綱の海外での移植の道が閉ざされる可能性も高まっています。

 提供要件を緩和する改正案は1度廃案になった後、約2年前に国会に再提出。先の国会でようやく審議が本格化しました。重い病気と戦う子供に国内で移植が受けられる新しい道が作れるかどうか。秋の臨時国会がターニングポイントになりそうです。(虎)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080701-00000056-san-soci