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2008年06月30日(月) 11時48分

日本一のドラマー、村上“ポンタ”秀一氏も登場!オーマイニュース

 週末の金曜夜に、友人に誘われ藤沢にある小さなbarでのライブに出掛けた。今年1月にオープンしたばかりのこぢんまりとした店で、チラシには「木・金・土はアコースティックライブ開催 ライブのない日は気軽に入れるショットバー」と書かれている。

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 友人からの誘いは、さりげない一通のメールだった。

こんな情報です。送り主は多分伝兵衛でしょう。どうですか。行きますか。近いし。
返事待ちます。

>ライブ来ませんか? ポンタさんとデュオですよ。

6/27金曜日
藤沢ロングトーンカフェ
0466−24−4963
19:30オープン
20:00スタート
¥3、500。+ドリンクオーダー

伝ポン楽団、端山龍麿+大沢イット

 ライブ情報の発信者、伊太地山伝兵衛氏は、年間250を越すライブで全国を飛び回っているミュージシャン。当夜も一緒だった日本一のドラマー、村上“ポンタ”秀一氏やジャズピアニスト佐山雅弘氏、ブルースの近藤房之介氏らとの共演も数多い、ブルースやJazzを核にして活動する、知る人ぞ知るというべき存在。昨年1月に、50歳記念と称して渋谷NHKホールでソロコンサートを行っている。

 友人と伝兵衛氏がどのような関係であるかは、ここでの主題ではないが、私にその存在を教えてくれたのは、友人である。まずはCDを渡され、彼に連れられ、これまで2回、同じような場所でライブを聴き、親しく言葉を交わさせてもらっている。

 30 人も入れば立錐(りっすい)の余地もなくなるほどの小さなスペースでの親密感に満ちた、なんともぜいたくなひと時。伝兵衛氏の呼びかけで駆けつけたベースの石井康一氏、バイオリンの佐藤桃子さんも加わっての超一流のパフォーマンス。ワンドリンクの柔らかなほろ酔い気分のなかで、心地よく過ぎていく時間を味わいながら、これこそが「僕らの音楽」というべきスタイルだなと深いところで実感していた。

 OMNゆかりの鳥越俊太郎氏が当初ホスト役をつとめていた2004年からフジテレビで続いている音楽番組『僕らの音楽』のホームページには次のようなコンセプトが記されている。

今の時代にはまだ無い、
音楽のリアリティをそのまま伝える、
純粋でストレートな音楽番組「僕らの音楽」。
生演奏でていねいにつくりこんだ良質な音楽と映像をお届けします。

 この番組の成功は、NHKの『SONGS』にもつながっていると思われるが、ともに音楽番組のモデルを示すものではないだろうか。

 武道館やドーム球場でのコンサートをむやみに否定するつもりはないが、音楽を聴くという本義からすれば、必ずしも好ましいものではない。テレビ番組が本質的であるとも言うつもりはないが、2つの番組が目指すものと、それを連想させた、小さなBarでのライブには、ある確実な需要が反映している。

 おそらく全国の至る所に、ここに紹介したような、小さな良質のライブスペースが存在しているはずである。それゆえに伝兵衛氏は、ライブを続け、重ねている。

 「志」などという大げさなものではない。好きなことを好きな人と一緒にやって、それを続けていく。時代におもねることなく、寵児(ちょうじ)にもならない。それゆえに自分流を貫くことが可能となって、そのことが結局は普遍に通じていく。友人にそれを教えられ、親しく週末を過ごすということも、ここではもちろん大事なこと。

 そうした「僕らの」スタイルを実感したうれしい一夜だった。

(記者:石川 雅之)

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