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2008年06月30日(月) 12時35分

コンビニで「飲みもの」を買って CO2削減に貢献するJ-CASTニュース

 地球温暖化防止のために、消費者が「できること」が広がってきた。スーパーやコンビニでレジ袋をもらわずに「エコバック」を使う。冷房の設定温度を28度にする。「マイ箸」を持参する。「エコ」な生活がどんどん身近になってくる中で、今度はコンビニで「飲みもの」を買うと二酸化炭素(CO2)排出量の削減に貢献できる、という新商品が登場した。

■コカ・コーラとローソンが共同で新商品

 日本コカ・コーラは、消費者といっしょに取り組む環境保全活動の一環として、ローソンと共同でCO2排出権を活用した清涼飲料水の販売を、2008年7月1日から開始する。対象となるコカ・コーラ商品は、「ジョージア グリーンプラネット カフェオレ」(500ミリリットル、158円)と、ノドの渇きを止め、エネルギーを補給する炭酸飲料「リアルスパーク」(500ミリリットル、147円)。コカ・コーラは2商品あわせて360万本を限定販売する。

 商品を提供するコカ・コーラが、数ある商品の中から「ジョージア グリーンプラネット カフェオレ」と「リアルスパーク」を選んだ理由について、「環境にあまり興味のない人にもCO2オフセットを知ってもらいたくて、消費者のすそ野が広い商品を選びました」(購買者マーケティング担当・服部貴志さん)と説明する。

 「CO2オフセット」とは、「CO2排出量を削減できなかった分を、削減できたところから購入することで相殺する」仕組み。地球温暖化防止の啓発活動として、商品価格の一部を寄付するような、消費者に負担をしいることなく貢献できる方法はないかと検討を重ねた。「CO2オフセットは企業の最後の手段。まず自分たちの努力として商品価格には転嫁せず、消費者に協力してもらえるようにしました」(服部さん)。

 ローソンでこの商品を買うと、1本につき1キログラムのCO2排出権を両社が対象商品で得た収益の一部から全額負担する。予定の360万本が売切れれば、3600トンの排出権を取得することになる。取得した排出権は国の償却口座に無償で移転するため、京都議定書のCO2削減目標の達成に貢献できる。「1人1日1キログラムの温室効果ガス削減」は、国が地球温暖化防止の国民運動で掲げた目標でもある。

 電気の使用を減らす、できるだけクルマは使わない、ゴミを出さないといったやり方のほかにも、間接的にCO2の削減に貢献する「無理しない協力」があるというわけだ。

 こうした商品の購入を通して消費者が貢献できる取り組みは、清涼飲料水の分野では日本初。グローバル企業であるコカ・コーラにとっても、このような取り組みは世界で初めてという。

■どのくらいCO2削減に役に立ったのかがわかるサイト開設

 両商品のパッケージには、さりげなく「飲んで参加しよう! 地球温暖化防止」として、アピールした。最近は2次元コードのシールをパッケージに貼ったり、蓋のところにぶらさげたりといった商品PRが目立つが、「それではちっともエコではない」とやめた。「ジョージア グリーンプラネット カフェオレ」はクリーム色に緑色で「GREEN PLANET」の文字と、ハートを抱いた地球のデザインでシンプルさを前面に押し出した。

 また、自分が買った飲みものがどのくらいCO2削減に役に立っているのか、消費者にわかるようにした共同運営の専用サイト「飲んでエコ.jp」を開設した。そこに「飲んでオフセットされるCO2の量」を表示、日々CO2が減っていく様子が数字でわかるようになっている。エコが楽しくなるコンテンツとしてゲームなども取り入れた。

 ローソンにとって、CO2排出権付き商品プロジェクトは4月8日から取り組んでいる「CO2オフセット運動」の第2弾で、ライオンやパナソニックなどの協力も得ている。第1弾では50ポイント(100円=1ポイント、1口)でCO2排出量減量10キログラムと交換する「ポイント交換でCO2削減」を展開。これが好評で、50口(250ポイント)の目標達成で配布したエコバックは1年間で130万枚にのぼった。

 ローソンCSR推進ステーションのアシスタントマネジャー・長谷川泉さんは「今年がCO2元年の気持ちで取り組んでいます。消費者に身近なコンビニが(CO2削減に)取り組むことは大事です」と意気込んでいる。

 削減するCO2、1キログラムを体積で表すとサッカーボール約100個分に相当する。パソコンの使用時間に換算すると約80時間、シャワーの使用だと約14分で排出される量にあたる。クルマをもたない人が1日あたりに排出するCO2は平均約4キログラムというから、人は案外たくさんのCO2を排出している。


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