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2008年06月30日(月) 16時05分

神港魚類課長、上司に虚偽報告 「国産ウナギ、魚秀が紹介」産経新聞

 水産物輸入販売会社「魚秀(うおひで)」(大阪市)が中国産ウナギを「愛知県三河一色産」と偽装表示した問題で、偽装ウナギを販売していた「神港魚類」(神戸市)の担当課長(40)が今年1月、上司に「魚秀から国産ウナギの取引の話を聞いた」と虚偽の報告をしていたことが30日、分かった。この直前、担当課長は魚秀福岡営業所長から中国産ウナギの大量在庫について相談を受けていた。兵庫県警は担当課長からすでに事情聴取しており、同日午後、徳島県警と合同捜査本部を設置し、本格的に偽装問題の全容解明に乗り出す。

 神港魚類によると、同社は魚秀が平成14年に親会社の「徳島魚市場」(徳島市)から独立したころからウナギを中心に取引を開始。担当課長は数年前から、魚秀とのウナギ購入契約の業務にあたっていたという。

 魚秀福岡営業所長から大量在庫について相談を受けた担当課長は、社内でウナギの取引に関して信頼が高いことを悪用。魚秀から国産ウナギの紹介があったとでっち上げ、偽装ウナギ取引を上司に承認させようとしたとみられるという。

 一方、徳島県警は、書類上取引にかかわった東京都内の商社社長から、代金を受け取った魚秀の非常勤役員を任意で事情聴取した。この役員は高知県の水産物加工会社役員を兼務、都内の商社社長に取引を持ち掛けたとされ、県警は詳しい経緯を聴いたとみられる。役員は「迷惑を掛けた」として水産物加工会社に辞任の意向を示しているという。

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