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2008年06月30日(月) 13時34分

裁判員制度「欠陥多い」 但木検事総長が退任会見産経新聞

 30日付で退官する但木敬一検事総長(64)が同日午前、東京・霞が関の最高検で記者会見し、「39年余りにわたり、それぞれのポジションで充実した日々を送らせてもらった」と検事生活を振り返った。
 但木総長はこの中で、「社会の変動が検察にテーマを与えてくれた」とし、ライブドア事件、橋梁(きょうりょう)談合事件のほか、相次いだ知事による談合事件の摘発などを例に挙げた。スタートまで1年を切った裁判員制度については「まだ欠陥は多い」とした上で、「プロの見識と国民の常識の共同作業。尻込みしている国民の中に、被告の運命と被害者の悲しみを受け止めて判断してくれる人がいるはず」と述べた。
 今後の検察には「法が公平に適用されていると国民が確信できることが大きな役割。国民が何を求めているかを把握し、対応することが重要な課題」と注文を付けた。
 但木総長は昭和44年に任官。法務事務次官、東京高検検事長などを歴任し、平成18年6月に検事総長に就任。在任中には取り調べの録音・録画を試行したほか、前福島県知事による汚職事件や前防衛事務次官の防衛装備品調達をめぐる汚職事件などの捜査を指揮した。

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