記事登録
2008年06月29日(日) 10時32分

米軍に盗まれた島「ディエゴ・ガルシア」知ってますか?オーマイニュース

 米軍再編は、2006年5月1日、日米政府が合意してから世界的な規模で進んでいる。神奈川県にある米軍基地キャンプ座間の強化、恒久化は強まっている。

  もっと写真を見る

 6月21日、キャンプ座間陸軍第1軍団新司令部強化に反対する「バスストップから基地ストップの会」のデモがあった。毎月行われている30人ほどの、だれでも入れる市民デモに、ディエゴ・ガルシア島からラギニ・キストナサミーさんが参加された。

 ピープルズプラン研究所の山口響さんがまとめた資料によると、インド洋に浮かぶ島、ディエゴ・ガルシア島は、18世紀にフランスが入植してコプラ栽培をするまでは無人島だった。

 1814年、イギリスに領有権が移り、モーリシャスの一部になった。1966年にはアメリカに貸与する協定が英米間でひそかに結ばれた。

 そしてディエゴ・ガルシアの島民2000人が追放され、セイシェルやモーリシャスに移住を余儀なくされた。現在、ディエゴ・ガルシアは米軍基地として使用され、空軍、海軍の施設や宇宙監視施設となっている。湾岸戦争、9・11以後のアフガニスタン、イラクへの出撃基地にもなっている。

 ラギニ・キストナサミーさんは、1976年に創設されたモーリシャスの社会運動団体・政党「LALIT」のメンバーで、ディエゴ・ガルシア島の返還を求めて20年以上も闘い続けている。

 1968年、モーリシャスはイギリスから独立した。2000年、イギリスの高等法院が島民の追放は違法行為だと判示した。2007年現在、イギリスの最高裁判所にあたる貴族院で係争中になっている。

 キャンプ座間は、陸軍司令部なのでここが司令塔になる。神奈川県の相模原市と座間市にまたがり広大な土地を占有しているゴルフ場もあり、ゴルフボールが周辺住民に飛んできて、こどもの頭にあたり、けがをするなどという事件も起きている。

 米陸軍新司令部の発足式があったのが2007年の12月19日。今年9月には司令部要員が30人から90人にふえる予定だ。さらに、陸上自衛隊も一体化している。米軍再編の一番の狙いは、自衛隊との一体化にあるようだ。アフガニスタンなどに米軍だけでなく、自衛隊を出したいのがアメリカの本音であり、アメリカの言いなりになっている自民党福田政権の狙いなのだろう。G8洞爺湖サミットのおみやげだろうか。

 インド洋に浮かぶ環礁、ディエゴ・ガルシアを思いながら、地元相模原で起きている、ささやかに見える事件から、ひとつひとつ訴えて、ねばり強く、反戦、反基地運動を継続していこうと、私は、あらためて再確認した。

 そして、「LALIT」の要求していることのひとつが、私たちデモ参加者と一致していることも、初めて知ることができた。私たちは被害者であるけれど、加害者にもさせられている。それは、沖縄を含めて一致している。私たちの共通した願いは、アフガニスタン・イラク攻撃をやめ、米軍基地を閉鎖することだ。

(記者:小牧 みどり)

【関連記事】
小牧 みどりさんの他の記事を読む
【関連キーワード】
米軍基地
キャンプ座間

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080629-00000001-omn-pol