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2008年06月29日(日) 02時30分

<自民党>「コスタリカ方式」全廃の方針 次期衆院選毎日新聞

 自民党は28日、次期衆院選に向け、同じ選挙区の現職2人が小選挙区と比例代表で交互に立候補する「コスタリカ方式」を全廃する方針を固めた。2人の後援会が統一されないため選挙基盤が強化できないことや、比例代表に回った候補が名簿上位で優遇され、同じ比例ブロック内の小選挙区候補の比例復活当選の可能性を低くすることが理由だ。同党選対幹部は「衆院選で勝てる候補を優先し、党のためにならないコスタリカはもう残さない」と明言した。

 同方式は、96年の衆院選で中選挙区から小選挙区制度に切り替わった際、現職同士の調整がつかずに「特例措置」として導入。96年から続いているのは群馬1区だけだが、その後の入復党などで新たに導入した選挙区が増え、現在は8選挙区。

 しかし、比例組を優遇するため、他の小選挙区候補からの批判が強い。自民党は、今年4月の衆院山口2区補選などでの敗北で危機感を募らせており、同方式を全廃して比例復活の可能性を高めることで小選挙区候補に全力を出させ、比例票の底上げも図る考えだ。

 既に党神奈川県連は今月24日、神奈川12区の同方式廃止を決定した。この選挙区では、05年衆院選(郵政選挙)の際、同党の桜井郁三氏が小選挙区に、江崎洋一郎氏が比例代表南関東ブロックに立候補し、次期衆院選では交代するとの協定を結んだ。今回の決定に江崎氏は強く反発している。

 同区以外の7選挙区も、党の世論調査などにより、勝てる可能性の高い候補を小選挙区で公認する方針。公認から漏れた議員の処遇は衆院選直前まで決めないが、党への貢献など「特別の理由」があれば「総裁枠」などで比例名簿への登載を検討し、その場合もコスタリカ方式にしない案などが検討されている。【西田進一郎】

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