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2008年06月29日(日) 19時55分

「女子中生殺害を隠蔽」 中国・貴州で数万人暴動、公安庁舎炎上産経新聞

 【北京=野口東秀】中国・西南地方の貴州省甕安県で28日午後、女子中学生=当時(15)=が乱暴のうえ殺害されたとみられる事件で、当局によるあいまいな事件処理に怒った住民約1万人が、政府庁舎や公安局を襲撃、数十台の警察車両などが燃やされるなどした。集まった住民は数万人との情報もある。鎮圧に当たった当局側の発砲で1人が死亡したといい、中国国営通信、新華社も29日、暴動の事実を伝えた。現地では鉱山をめぐる汚職や水質汚染に対する住民の不満が高まっていたという。

 29日付香港紙や関係サイトなどによると、今月21日夜、同級生に呼ばれ家を出た女子中学生が戻らず、近くの川岸で死亡しているのが発見された。家族は現場にいた男2人と同級生を公安局に連れていったが約8時間後に釈放され、公安局は「川に飛び込んで自殺」と説明、家族の調査要求にも応じなかったという。

 23日には被害者の親戚の教師が何者かに殴打され、死亡したとされるほか、調査を要求した複数の中学生も当局者に殴打され、大けがをしたという。容疑者ながら釈放された男が県政府幹部の親族で、当局が事件を隠ぺいしようとしたとのうわさも流れ、暴動につながったようだ。

 ネットでは、公安庁舎を取り巻く群衆がなだれ込み放火、庁舎が黒煙と炎をあげる様子や消防車が群衆に囲まれる光景を撮影したビデオが流れている。甕安県は人口約44万人、ミャオ族など少数民族の自治州内にある。

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