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2008年06月28日(土) 02時31分

<生活保護不正受給>深谷市、元組員恐れ言いなり毎日新聞

 埼玉県深谷市の生活保護法違反(不正受給)事件で、市は、韓国籍の元稲川会系暴力団組員、崔鳳海(チェボンヘ)容疑者(60)=同法違反容疑で逮捕=が高級車を所有しているのを把握しながら、恐れて対応していなかった。県警は「こうした市の姿勢が不正受給を助長させており、市が崔容疑者にだまされたとは言えない」と判断。より罪が重い詐欺容疑での逮捕を見送っていた。

 崔容疑者と妻育代容疑者(44)は07年10月、深谷市保険事務所に、約100キロ離れた群馬県みなかみ町の接骨院に10回通院したとうその申請を出し、14万4000円を不正受給したとして逮捕された。実際は申請前に1度行っただけだった。

 崔容疑者は偽の接骨院の領収書を提出していたが、市は昨年10月の県の監査で指摘されるまで接骨院に確認しなかった。さらに、3カ月に1度必要なリハビリに関する医師の「給付要否意見書」も崔容疑者に拒否された後、提出を求めることを怠っていた。医療扶助は市から接骨院に直接支払う決まりだが、崔容疑者に「立て替えたから自分に払え」と強弁され、職員が自宅に届けていた。

 市は、崔容疑者が外車や国産高級車を使っていることを03年1月当初から把握。処分させようとしたが、無視されたという。

 県警は今年2月に市の告発を受け、詐欺容疑を視野に入れて捜査したが、市の対応が不正を助長した面があるとみている。

 市福祉事務所長らは27日の会見で「組織として対応に問題があったが、言葉の暴力を受けながらも積極的に指導した。市も被害者だ」と主張した。

 崔容疑者は県警の調べに容疑を認めているが、育代容疑者は「夫に頼まれて市に行っただけ」と否認しているという。【浅野翔太郎、小泉大士、町田結子】

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