記事登録
2008年06月28日(土) 20時17分

米軍立川基地跡地利用読売新聞

昭島市が計画案決定

 昭島市と立川市にまたがる米軍立川基地跡地について、昭島市は、矯正医療センターなど法務省関連の施設を集約した「国際法務総合センター(仮称)」を中心とした利用計画案を決定した。30日に、都と財務省に提出する。地元自治会などが同センターの受け入れに反対し、代替案を同市に提出していたが、認められなかった。立川市も、跡地に含まれる同市の一部を公園にする案を提出する。

 同跡地は、国営昭和記念公園西側に広がる約70ヘクタールの国有地。昭島市が提出する案は、跡地を六つのゾーンに分けるものだ。

 地元住民らが反対している総合センターは、跡地の北西側に作られる。「矯正医療センター」は、八王子医療刑務所(八王子市)、関東医療少年院(府中市)、神奈川医療少年院(神奈川県相模原市)を統合し、医療を必要とする受刑者約850人を収容する。

 ほかに、八王子少年鑑別所の移転施設と位置づけられている「少年非行対策センター」や、アジア各国の検事や裁判官などの研修施設「国連アジア極東犯罪防止研修所」、刑務官や公安調査庁職員らの研修所のほか、約350戸の職員宿舎も建設される予定だ。

 総合センター以外は、商業施設や住宅などが建てられる民間利用地域、洪水などの災害時に残堀川から一時的に水をためる調節池、公園が配置される。

 跡地内で、絶滅の恐れがある希少野生動植物が財務省の調査で確認されたが、昭島市は「施設建設に影響がある場合には、検討が必要だが、現時点では考えていない」と、来年3月まで続く環境調査を見守る方針。

 同市は、今年2月に法務省関連施設の受け入れを正式決定したが、建設反対を訴える地元自治会と市民団体が代替案をそれぞれ4月に同市に提出していた。

 建設反対を訴える「むさしの自治会」の藤原国広さん(65)は、「十分に審議がつくされたと言えず、憤りを感じる。環境調査の結果から計画の見直しの可能性もある。市民参加の運動を続けていく」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyotama/news/20080627-OYT8T00825.htm