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2008年06月27日(金) 14時43分

ウナギ偽装、「魚秀」にブローカーが在庫処理“指南”読売新聞

 ウナギ販売業「魚秀(うおひで)」(大阪市)と「マルハニチロホールディングス」の子会社「神港魚類」(神戸市)が中国産ウナギのかば焼きを国産に偽装していた問題で、魚秀が今年1月、大量の中国産かば焼きの在庫についてウナギ取引のブローカーに相談、そのアドバイスを受けて、偽装用のラベルや段ボール箱などを準備していたことが27日、関係者の話で分かった。

 不正競争防止法違反容疑で両社の捜査を進めている兵庫・徳島両県警も関心を示している。

 関係者によると、魚秀が在庫処理について相談していたのは高松市周辺に活動拠点があるとされるブローカーの男性。魚秀は、このブローカーのアドバイスを受け、「愛知県三河一色産」と記された偽装用ラベルや、偽の産地証明書、架空会社「一色フード」の社印などを業者に発注。2月には、神戸や福岡や東京などの冷凍庫に分散していた在庫のうち、256トンを徳島市内の倉庫に集めたうえで、ブローカーに偽装用のラベルをはったり、偽の箱に詰め替えたりする作業を依頼したという。ブローカーは256トンすべてを高松市内の倉庫に移し、ここで偽装のための作業を行ったとみられる。

 農林水産省によると、このブローカーや、そのグループは、過去に発覚したウナギの産地偽装の問題でも、販売業者からの聞き取り調査の過程で取引先などとして名前があがっていたが、具体的に偽装への関与は確認できなかったという。同省では、今回も取引先の一つとして把握していたが、「役割はラベル張りなどの軽作業の請負で、日本農林規格(JAS)法の対象外」として、このブローカーからの聞き取り調査は行わなかった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080627-00000030-yom-soci