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2008年06月27日(金) 15時19分

魚秀、不正利益は3億円か 偽装ウナギ事件産経新聞

 水産物輸入販売会社「魚秀(うおひで)」(大阪市)が中国産ウナギを「愛知県三河一色産」と偽装表示していた問題で、魚秀が今年3月から約1カ月の間だけで、約3億円の利益を上げていた可能性のあることが27日、関係者の話などで分かった。

 中国産を日本産と偽ることで、不正に取引額の4割近い利益を上げており、兵庫、徳島両県警は不正競争防止法に違反するとみて捜査を進めるとともに同日、神戸市内で合同捜査会議を開催。合同捜査本部の設置へ向けた調整や捜査情報の交換などを急いでいる。

 また、偽装ウナギを業者に販売したマルハニチロホールディングスの子会社「神港魚類」(神戸市)が、農林水産省の立ち入り調査前から、取締役が偽装情報を把握していたことも判明した。同社は偽装発覚後「(調査のあった)6月12日に初めて認識した」と説明していたが、実際には同月10日、同ホールディングスの系列会社から取締役に「産地がおかしいので、調べたほうがいい」と連絡があったという。

 関係者によると、神港魚類は東京都の商社を介するかたちで、魚秀から今年3〜4月、偽装ウナギ256トンを約7億7000万円で購入した。中国産ウナギの市場価格は1キロあたり約1700円で、国産の価格はその倍以上という。

 購入に際して神港魚類側は「国産ウナギとの認識だった」と話しており、中国産の適正な市場価格に照らした金額と、実際に魚秀に支払われた金額との差は約3億円にのぼるという。神港魚類は、魚秀に対する詐欺罪での刑事告訴も検討しているという。

 一方、農水省は6月12〜18日、神港魚類に立ち入り調査したが、同社は10〜14日の間に500キロほどのウナギを販売したという

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