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2008年06月26日(木) 16時14分

整体師が語る〜「休め」の姿勢は体に負担オーマイニュース

 私は整体師です。施術経験から骨格や筋肉のバランスの崩れと姿勢には関係があると感じています。

 マットに横になった状態で施術することが多いのですが、横になった時点では整っているように見えても、立ち上がった状態だと、片方の肩が下がっていたり、両肩が斜めになっていたり、骨盤の片方が上がっていたり、体が傾いていたりと、納得できない状態のことがあります。

 少なくとも、横になった状態では、骨格はある程度整っているのに、なぜだろう? そう思うことが続いたある日、ふと気づきました。

 「まっすぐに、リラックスして立ってください」

 というと、重心を片方の足にかける人がいるのです。本人は無意識です。直立しているように見えても、「リラックスして」という表現に体が無意識に応じて、片方の足が微妙に前に出ていたり、後方の足に重心をかけていたりすることがあるのです。当然体は傾き、肩の高さも違ってきます。肩も斜めになることがあります。

 これは思うに、体育の時間、朝礼の時間などに教師が片足を斜め前に出したカタチを休めと教えているせいのようです。

 この姿勢は「休め」という呼び名とは逆に、長時間続けると疲れる立ち方です。腰幅くらいに足を開き、重心を両足の真ん中に置く方が疲れないはずなのです。

 これが「休め=楽な」姿勢だと思い込んでいるのは弊害があります。無意識にしているほどですから、トータルではかなりの時間、この姿勢をしていることにつながります。これは骨盤と背骨、肩などを歪(ゆが)ませる姿勢だと感じています。

 間違った体の使い方が指導されていることは、これ以外にも意外に多いのではないかと考えています。

 例えば、体育座りやあぐらは、腰に負担がかかります。これは腰痛の基にもなりかねません。腰痛持ちの人がこの姿勢を長時間(といっても1時間程度)続けると、腰痛がひどくなることが多いようです。

 やはり集団を管理するという目的が優先しているためか、わが国では体にいい、合理的な姿勢というより、指導者に従わせる姿勢や全員がそろっていて整然とした姿勢をさせているような気がします。

 よい姿勢の基本は、まず、体がリラックスして楽なこと。具体的には立っている状態なら、左右に開いた足の間、体の真下に重心が来ること、座っている状態なら、坐骨(ざこつ、一般には尾てい骨と呼ばれている、お尻の下の骨)に均等に体重が載っている状態です。

 胸を張って全身に力を入れて、棒のようにまっすぐな姿勢がいい姿勢と思っているとしたら、それは間違いです。適度に力が抜けていて、自然な感じの姿勢。これが見た目にも健康にもいい姿勢だと思います。

(記者:葉月 昌)

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