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2008年06月26日(木) 07時07分

拘置所内から架空請求 拘置先に「金郵送を」 詐欺未遂容疑で男逮捕 熊本県警西日本新聞

 拘置所から郵便書留を送って架空請求詐欺を企てたとして、熊本県警捜査二課などは25日、詐欺未遂の疑いで、福岡拘置所小倉拘置支所(北九州市小倉北区)に拘置中の無職松下寛容疑者(36)を逮捕した。

 調べでは、松下容疑者は5月30日ごろ、同県水俣市の会社役員男性(68)の自宅に「貸金請求通告書」と記した郵便書留を拘置支所内から郵送。男性の死亡した妻に借金があると偽り「相続権がある貴殿は支払う義務がある」として、返済金名目で百数十万円をだまし取ろうとした疑い。男性が不審に思い県警に相談。調べたところ、差出人の住所が拘置支所だったという。

 松下容疑者と男性は面識はなく、県警は新聞の訃報(ふほう)欄などで、男性の妻を探し出した可能性もあるとみている。書留では拘置支所の住所の同容疑者あてに現金を郵送するよう指示していたという。

 刑事施設受刑者処遇法で、拘置所では信書の検閲が認められており、証拠隠滅を示唆したり、誰かを脅迫したりする内容の場合は差し止めることができる。だが、「今回の文面に明確な犯罪性はなく、拘置所側が不審に思ったとしても差し止められなかったのではないか」と県警はみている。

 松下容疑者は福岡県警などから恐喝などの容疑で逮捕、起訴され公判中。同時期に拘置支所から数十通の郵便書留を送っており、熊本県警は余罪を調べる。

=2008/06/26付 西日本新聞朝刊=

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