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2008年06月25日(水) 22時05分

中国産ウナギを一色産と偽装!1千万で口止め工作もスポーツ報知

 農林水産省は25日、水産物輸出入販売会社「魚秀」(大阪市、中谷彰宏社長)が中国産ウナギのかば焼き256トン(205万匹)を「愛知県三河一色産」と偽装表示して出荷していたと発表した。うち少なくとも49トン(39万匹)は、水産大手マルハニチロホールディングスの子会社「神港魚類」(神戸市、大堀隆社長)を通じて販売された。

 魚秀の中谷社長は神港魚類の担当社員に、口止め目的とみられる現金1000万円を渡していたことも判明。偽装は架空の会社を使う巧妙な手口で、農水省は「悪質性が相当高い」と指摘、2社に日本農林規格(JAS)に基づく改善を指示、徳島県警は同日、徳島市の営業所に来ていた中谷社長から任意で事情聴取した。

 中谷社長は「在庫をさばきたかった。1月から計画した」と謝罪、辞任を表明した。

 農水省によると、魚秀は中国産ウナギ796トンのうち256トンを、愛知県に設立した実態のない会社を製造者とするラベルを張って出荷。神港魚類はうち49トンを近畿や中国、四国、九州の卸売業者に販売。大阪、兵庫、島根、福岡の小売店で売られた恐れがある。国産かば焼きの市場価格は1キロ4000—5000円で、中国産の2—3倍。

 一方、神港魚類幹部は、5月下旬、中谷社長から神戸市の喫茶店に呼ばれた担当社員が、「おみやげ」として袋を渡されたと明らかにした。魚秀の親会社「徳島魚市場」の社員も同席。担当社員は家に持ち帰ってから現金と分かり、返そうとしたが、中谷社長は応じなかったという。

 6月13日に農水省の調査を受けた後には、担当社員は中谷社長から「(偽装の責任を)全部かぶってくれ」と言われ、魚秀のほかの幹部からも「1億円出すから」と重ねて要請されたという。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080625-OHT1T00152.htm