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2008年06月25日(水) 20時20分

“居酒屋タクシー”、17省庁1402人が金品受領スポーツ報知

 国家公務員が深夜帰宅のタクシー運転手から現金やビールなどを受け取っていた「居酒屋タクシー」問題で、政府は25日午後、金品を授受した職員は17府省庁・機関の計1402人に上り、うち151人を処分したと発表した。

 金品受領は財務省が600人と突出した。国家公務員法に基づく懲戒処分は停職1人、戒告21人、減給11人の計33人。118人が各府省の内規により訓告、厳重注意などの処分を受けた。政府がこれだけの大量処分を行うのは異例。福田康夫首相は記者団に「金品をもらっていたのは言語道断だ」として信頼回復に努める考えを示した。

 政府が職員の自己申告やタクシー事業者からの聞き取りに基づきまとめた最終調査結果によると、現金を受け取っていたのは財務、文部科学、経済産業省の各1人。ビール券などの金券が55人、ビール、お茶などの物品が1344人。

 府省庁・機関別の受領者は、財務省に続いて農林水産省197人、国土交通省173人、文科省106人など。警察庁にも9人いた。

 財務省主計局の係長級職員は5年間の累計で約200万円相当の現金、金券を受け取り、停職3か月の処分を受けた。財務省は処分者数でも95人と最多だった。

 町村信孝官房長官は調査結果を明らかにした記者会見で「公務員として不適切で誠に遺憾だ。タクシーの適正利用を徹底したい」と述べた。

 この問題は民主党議員の資料請求で6月に発覚し、首相は厳正に処分する方針を示していた。調査対象は20府省庁・機関で、宮内庁、会計検査院、内閣法制局には該当者がいなかった。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080625-OHT1T00232.htm