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2008年06月25日(水) 11時50分

生活保護費詐欺で元組員に懲役13年の判決スポーツ報知

 介護タクシー代など生活保護費約2億円をだまし取ったとして、詐欺罪などに問われた北海道滝川市の元暴力団組員で無職片倉勝彦被告(42)と、妻ひとみ被告(38)の判決公判で、札幌地裁は25日、勝彦被告に懲役13年(求刑懲役15年)、ひとみ被告に懲役8年(求刑懲役10年)を言い渡した。

 井上豊裁判長は判決理由で「一地方都市の生活保護予算のかなりの部分を食い物にした、未曾有の巨額公金詐欺事案。生活保護制度への信頼を大きく揺るがせた」と指弾した。

 弁護側は「市が調査をしていれば被害の拡大を防げた」と主張していたが、井上裁判長は「不正な利益をむさぼっていた被告人らに、市の対応の是非を論ずる資格などない」と退けた。

 判決によると、両被告は札幌市の介護タクシー会社役員板倉信博被告(57)=詐欺罪などで起訴=らと共謀し、生活保護費受給者の通院交通費補助制度を悪用。2006年12月から07年11月にかけ、知人の運転する車で通院したり、タクシーに薬だけ受け取りに行かせていたのに、滝川市から介護タクシー料金などとして生活保護費を請求するなど、約2億600万円をだまし取った。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080625-OHT1T00171.htm