「尊敬する人 加藤智大容疑者」—。警視庁は２４日までに、人気アイドルグループ「ＡＫＢ４８」の公式サイトで殺人を予告したとして、１８歳の少年を逮捕した。東京・秋葉原の無差別殺傷事件の後、インターネットの掲示板に殺人や爆破の犯行予告の書き込みが後を絶たないことから、警察庁は２４日、犯行予告が犯罪行為であることを周知徹底するよう全国の警察に通達。書き込んだ人物を逮捕するなど厳正に対処することも求めた。一方、２月に全国屈指の進学校・開成中学（東京都荒川区）で「無差別に刺殺する」と掲示板に書き込んだ１６歳の高校生が２４日、書類送検された。
東京・秋葉原を拠点に活動する人気アイドルグループ「ＡＫＢ４８」の公式携帯サイトに、秋葉原無差別殺傷事件を連想させる殺人予告を書き込んだとして、警視庁万世橋署は２４日、威力業務妨害の疑いで東京都立川市の無職少年（１８）を逮捕した。
調べでは、少年は無差別殺傷事件の２日後の今月１０日午後１０時ごろ、「ＡＫＢ４８」の携帯電話用ファン専用サイトに「秋葉原 消したい。尊敬する人 加藤智大容疑者。名古屋劇場に衝撃。６月８日の歩行者天国のように。射殺、または串刺し」などと２６回にわたり書き込み、１５日の名古屋公演で警備員を増強させるなどして業務を妨害した疑い。
少年は、同グループが結成された３年前から会員制の有料サイトに登録していた。書き込みをした１０日は少年の誕生日だったが、メンバーからのメッセージがこないことに腹を立て「目立つ書き込みをすればメンバーから返事が来るだろうと思った。秋葉原で事件が起きたから利用した。冗談のつもりだった」などと供述しているという。
「ＡＫＢ４８」は、秋葉原の専用劇場「ＡＫＢ４８劇場」を拠点に、ほぼ毎日公演を行っている。連続殺傷事件が発生した８日も、事件現場から約８０メートルの同劇場で、予定通り公演を行っていた。
◆メンバー驚き逮捕にホッ ＡＫＢ４８のイベント運営事務所によれば、秋葉原無差別殺傷事件の直後から書き込みが始まり、すぐに警察へ通報。連絡を取り合い対応してきたという。
事務所関係者によると、名古屋のイベントでは警備員を増員。東京から所轄の警察官も駆けつけてもらい、備えたという。また、メンバーには一切、殺人をほのめかす書き込みがあったことは伝えなかったという。同関係者はこの日の逮捕の一報に、驚きを隠さないメンバーもいるとしながら、「これからもみなさんに楽しんで見てもらえるように努力していきたい」とホッとした様子だった。
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