記事登録
2008年06月25日(水) 03時04分

PCI、ベトナムODA巡り当局者へ2000万円贈賄容疑読売新聞

 大手コンサルタント会社「パシフィックコンサルタンツインターナショナル」(PCI)が、ベトナムでの政府開発援助(ODA)事業の受注を巡り、同国の政府当局者に現金2千数百万円のわいろを提供していた疑いのあることが分かった。

 東京地検特捜部では、外国公務員への贈賄を禁じた不正競争防止法違反などの容疑で、ベトナムの司法当局に協力を依頼するなど、捜査に乗り出した。

 PCIは中国での遺棄化学兵器処理事業を巡る詐欺事件やODA事業を巡る脱税事件で摘発されたが、ODA受注に絡む海外での贈賄工作の疑いも浮上した。

 外国公務員への贈賄罪での摘発は過去に1件しかなく、ODA事業で適用されれば初めてとなる。特捜部は外務省を通じて、ベトナム当局に対し、PCIが香港の関連会社でプールした1億7700万円を経費計上して脱税した法人税法違反の容疑などでも捜査への協力を依頼。今後、資金の流れを調べるとともに、わいろを受け取ったとされる公務員の事情聴取などを依頼するとみられる。

 関係者によると、同社は2003年ごろ、ベトナム・ホーチミン市での道路建設工事のコンサルタント業務を随意契約で受注したが、PCI幹部が同事業を受注するため、ベトナム政府の当局者に直接、現金を提供した疑いがあるという。

 国際協力銀行(JBIC)によると、この道路建設事業はホーチミン市を横断する幹線道路を建設する工事で、総事業費は約806億円に上る。円借款によるODA事業で、PCIは01年度のコンサルタント事業を約11億円で受注。また、03年度にはPCIなどの共同企業体が約20億円のコンサル事業を随意契約で受注している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080625-00000001-yom-soci