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2008年06月25日(水) 23時50分

グッドウィル 派遣労働者ら怒りあらわ「責任取れ」毎日新聞

 「予想はしていたが、こんなに早いとは……」。グッドウィル(GW)が派遣事業の廃業を表明した25日、同社で働く派遣労働者に不安の声が広がった。最近は同社から紹介される日雇い派遣の仕事が減っていたと言い、労働者は「計画的だったんだ。責任を取れ」と怒りをあらわにした。

 同社で日雇い派遣をしている労働者を中心に組織するグッドウィルユニオン(梶屋大輔委員長)を傘下に持つ派遣ユニオンは、東京都新宿区の組合事務所で会見した。関根秀一郎書記長は「長年グッドウィルの違法行為を放置してきた国の責任は重い。認可取り消しで職を失う派遣労働者たちの生活を保障し、劣悪な雇用環境をもたらした労働者派遣法を抜本的に改正すべきだ」と訴えた。

 一方、グッドウィルユニオンの梶屋委員長によると、GWが事業停止処分を受けた今年1月以降、日雇い派遣の仕事は徐々に少なくなり、グッドウィルだけに登録していては、生活するのが厳しい状況になっていたという。梶屋委員長は「許せない。(廃業に向け)計画的にやっていたのだろう」と怒った。【東海林智、夫彰子】

 ◇GWの合意退職に労組反発

 労働組合「UIゼンセン同盟」と傘下でGW正社員を中心にした「JSGU(人材サービスゼネラルユニオン)」が25日会見し高石修・ゼンセン同盟副書記長が「労働組合を無視した経営側のやり方」と怒りをあらわにした。

 同日午後の申し入れ文書には一連の経緯のほか、「合意退職を申し入れたい」と書かれていたという。高石副書記長は「こうしたことは団体交渉を通じてまとめるのがルールなのに、『6月30日以降、出社に及ばず、7月末日で退職していただく』と、時間的余裕もない申し入れがあった。怒りを禁じえない。この一方的な申し入れは受け入れない」と語った。【樋岡徹也】

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