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2008年06月25日(水) 22時35分

<グッドウィル>グループの再建、前途多難 廃業のツケ重く毎日新聞

 25日、グッドウィル・グループ(GWG)が100%子会社で日雇い派遣最大手のグッドウィル(GW)の廃業を決めたことは、GWGの経営再建に大きな痛手になりそうだ。堀井慎一GWG社長は「六本木ヒルズからの本社移転、社名変更でイメージを一新したい」と述べたが、不祥事のツケが重くのしかかり、再建計画は大幅な見直しを迫られる可能性もある。

 違法派遣問題などが相次いで発覚したGWは、厚生労働省から1月に最高4カ月の事業停止命令を受けたことで、登録派遣者が約3万4000人から約7000人まで激減。派遣先の顧客離れも進んでいる。「日雇い派遣がワーキングプアの温床になっている」との批判もあり、GWGは売却方針を固め、日米の投資ファンドや人材派遣会社など数社と交渉。だが、今月3日に違法派遣で社員が逮捕されたことなどで、売却交渉は難航した。

 GWGは、介護事業からの撤退や派遣業の事業停止などで業績が悪化。米大手ファンドのサーベラスと米証券大手モルガン・スタンレーの2社連合の支援で財務基盤を強化し、技術者派遣などに経営資源を集中する計画だった。ただ、100億円規模での売却を見込んでいたGWが廃業に追い込まれたうえ、200億円超で売却予定だった老人ホームも交渉が進んでいない。

 堀井社長は「赤字のGWの廃業で目先の資金悪化に歯止めはかかる」と強調。しかし、経営再建の柱と位置づける技術者派遣は毎年10%以上の伸びを示す成長分野だが、新規参入も多く競争は激化している。優良メーカーは法令順守の姿勢を厳格化し、「GWGとの契約を敬遠するケースが目立つ」(業界関係者)という。

 GW廃業の報道を受け、25日の東京株式市場でGWG株は、取引開始直後から売り注文が殺到。制限値幅いっぱいのストップ安となる前日終値比1000円安の6610円で取引を終えた。【田畑悦郎、小倉祥徳】

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