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2008年06月25日(水) 22時20分

グッドウィル7月末で廃業 グループ経営への打撃不可避産経新聞

 人材派遣大手のグッドウィル・グループ(GWG)は25日、100%子会社で日雇い派遣を手がけるグッドウィル(GW)を7月31日付で廃業すると発表した。外資の支援を受けて経営再建中のGWGは、技術者派遣や海外事業に経営資源を注力する方針だが、経営への打撃は避けられそうにない。

 GWの取締役3人と執行役員6人は今月30日付で引責辞任。中元一彰社長は25日付でGWG執行役員を引責辞任し、GW社長も事業廃止が終了した時点で退任する。

 GWの稼働中の派遣スタッフは1日約7000人。派遣スタッフと社員約4000人(契約社員、アルバイト含む)の雇用は派遣先に直接雇用を働きかけたり、日本人材派遣協会を通じて同業他社に受け入れを要請する。

 GWは今年1月、違法派遣を繰り返したとして厚生労働省から全事業所を対象に事業停止命令を受けた。警視庁は今月3日、職業安定法違反幇助(ほうじよ)の疑いでGWの課長らを逮捕。法人としてのGWは24日、東京簡裁から罰金の略式命令を受け、同日納付した。労働者派遣法は、罰金刑以上の有罪判決が確定した派遣会社に対し、事業許可を取り消せると規定。厚労省はGWの許可を取り消す方針を固めており、事業の継続は困難になったと判断した。

 GWはイメージ低下で売り上げが低下。GWGの連結売上高に占めるGWの構成比は1〜3月は10%程度だったが、4月は7%程度まで落ち込んだ。GWGはイメージ一新のため、東京・六本木ヒルズからの本社移転や社名変更を検討。日雇い派遣を縮小し、技術者・製造業向け派遣を拡大する計画という。都内で記者会見した堀井慎一GWG社長は「苦渋の選択。派遣スタッフや社員の雇用確保に全力で取り組む」と話した。

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