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2008年06月25日(水) 21時02分

グッドウィル派遣登録者、冷静に受け止め 社員に不安の声も産経新聞

 厚生労働省による労働者派遣事業の許可取り消しの可能性が高まった人材派遣大手「グッドウィル」(GW)。1月の事業停止命令、6月の社員の逮捕−。度重なる不祥事による信頼失墜の流れもあり、GWの派遣登録者や労組関係者は冷静に受け止める一方、GW社員からも今後の生活を不安視する声が出ている。

 GWに登録する神奈川県内在住の30代女性は、GWの事業継続が難しくなったことについて「違法派遣を繰り返し、社員に逮捕者まで出た。廃業になっても当然。遅すぎたぐらい」と淡々と話す。

 地方を中心に日雇い派遣だけで生計を立てる人もいる一方、本職を補う形で派遣労働を行う人も少なくなく、「大きな影響はない」と都内の40代女性は冷静に受け止めた。

 派遣労働者でつくる労働組合「派遣ユニオン」(東京)では労働者らの相談業務を行っている。「仕事がどうなるのか不安」といった問い合わせの電話やメールが何本か寄せられたが、大きな混乱はないという。

 関根秀一郎書記長は「これから影響は大きくなる。職を失う労働者をどう守るのか。国による雇用対策も求められる」と強調。「GWが廃業になるだけではダメ。派遣制度のあり方を考え直さないと本当の問題解決にはならない」と語気を強める。

 GW広報室は一連の騒動による登録者らからの反応について、「確認が取れていないので答えられない」とコメント。同社社員の20代男性は「家のローンが35年残っている。廃業になれば、これからどうなるのか。タイミングをみて就職活動を始めなくては」と不安げに語った。

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