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2008年06月25日(水) 00時00分

事業はフィードとともに読売新聞

トレンドを見通し起業

塚田耕司  つかだ・こうじ
株式会社フィードフォース代表取締役社長
 1968年、高松市生まれ。京都大学工学部土木工学科卒。4年間の大手銀行勤務の後、1996年に株式会社ルート・コミュニケーションズを設立。2006年にはフィードを活用したマーケティングサービスを提供する株式会社フィードフォースを設立した。著書に「RSSマーケティングガイド」(インプレス刊)。

 多くのウェブサイトが、新着情報を利用者に通知するRSS情報を装備するするようになっている。RSSはフィード(注1)の一種で、社名のフィードフォースはこれにちなんで名づけた。

 主な業務は、ウェブサイトは持っているがフィードを発信していない企業の支援サービスだ。今後の市場動向などについて、塚田社長に聞いた

——なぜフィードを事業の対象に選んだのですか。

塚田 5年ほど前からフィードの一種であるRSS(注2)が注目され始めました。インターネットの進歩を5年、10年単位でみたとき、フィードは間違いなく普及するトレンドにあると考えました。データ構造が整っているフィードは機械処理に向いており、ネットで利用しやすいからです。ウェブサイトは人間が読めば意味がわかりますが、プログラムのデータ構造としては整っていないカオス状態です。フィードが浸透すればこれも整理できるでしょう。

——いろいろなビジネスチャンスがありそうですね。

塚田 フィードの普及は間違いないとしても、どの程度のスピードでどんな段階を踏みながら広まっていくのかはわかりません。それを予測しながら、どんなビジネスができるのかを考えています。

——これまでに手がけたサービスは?

塚田 ウェブサイトのフィードが手軽に作成できるサービス「RSS Suite(スイート)」を2005年春に始めました。私が最初に作ったウェブサイトの受託開発会社で手がけたのですが、取引先の反応もよく、導入がスムーズに進みました。この成功によりフィードは商売としてやっていけるなと確信し、2006年7月にフィードフォースとして会社を独立させました。

——2社目の会社なのですね。

塚田 最初の会社はルート・コミュニケーションズといいます。12年前に高校時代の友人と作りました。「フラッシュ」という仕組みを使った動きのあるデザインを得意としており、ナイキジャパンの主要コーナーなどを手がけています。事業は順調ですが、何かしら自社サービスを作りたいと考えていたときにフィードに出会い、今の会社を設立しました。ルート・コミュニケーションズの方は創業時のパートナーに任せています。

注1:フィード ウェブサイトのコンテンツのタイトルやURL、あるいは本文などを配信用にまとめたデータのこと。RSSなど数種の規格がある。ほとんどのニュースサイトやブログが標準装備している。

注2:RSS フィードの一種。RSSリーダーと呼ばれるソフトを使って読み取る。ニュースサイトの場合、RSSリーダーは、利用者が事前に登録したサイトを定期的に巡回して最新ニュースの見出しを収集。その見出しをクリックすると本文が表示される。 

http://www.yomiuri.co.jp/net/interview/20080625nt08.htm