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2008年06月25日(水) 18時33分

刑務所で見つけた“天職”COURRiER Japon + hitomedia

アルフレド・サントス(80)は、50年代に米カリフォルニア州の刑務所に服役していたとき、食堂の壁に巨大な絵画を描いた。ゴールドラッシュやハリウッドの隆盛など、同州の壮大な歴史を描いたものだ。この壁画を見た専門家は、作者を高く評価していたが、刑務所内という事情もあり、長い間作者は不明のままだった。やがて、当時の看守の証言から、サントスが描いたことが証明される。
多作なアーティストであるサントスの作品は、つい最近まで蚤(のみ)の市などで安価で取り引きされていた。それが今、買値の10倍以上に跳ね上がっている。だが、売りに出す者は少ない。彼が亡くなれば、彼の生き様が伝説となり、さらに高値になると予想されているからだ。
一方、当のサントスは、お金とは無縁の年金暮らし。画材を買う余裕すらないという。
「でも、俺の生きていた証(あかし)を残せてよかったよ」と彼は笑う。

ロサンゼル・タイムズ(USA)より。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080625-00000000-cou-int