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2008年06月25日(水) 12時00分

「騎士道」ってどんな精神?“西洋甲冑騎士団”に聞いてみた!R25

日本男児がイメージする戦士の精神といえば、質実剛健な武士道。では、欧米人にとっての「騎士道」ってどんな精神だろう? なんとなく貴族っぽくて優雅な感じだけど、イマイチよくわからない。

そんな疑問を抱えていたところ、日本で“中世の騎士道や文化を再現”している団体があるとの情報をキャッチ。メインの活動内容は、本物の西洋甲冑(かっちゅう)に身を包み、長剣や盾をもってガチンコで戦う格闘競技だという…。こ、これは直接見に行かねば!!

と、やってきたのは東京・目白にあるイベントスペース。騎士たちが集うお城をイメージした空間内で、出迎えてくれたのはアメリカ人のジェイ・ノイズ氏。日本で中世文化再現団体「アヴァロン」を立ち上げた一人だ。

「日本の武士と西洋の騎士は、封建制度の戦士階級という立場は同じですが、騎士にはキリスト教を元に発達した独自の倫理観があり、たとえ主君の命令であっても、その倫理に反するならば背くことが美徳とされます。騎士はとてもパワフルな存在だからこそ、自分の行いが崇高な倫理に反していないか、常に自らに問いかけ、自ら判断する精神が重視されてきたのです」

それゆえアヴァロンの戦闘訓練では、定められたルールのもとに戦う二人の間に、判定を下す審判は存在しないんだとか。

「ジャッジは戦っている本人たちが行います。もし“CHIVALRY”(騎士道精神)に反する行いをすれば、自分と対戦相手の名誉を大いに傷つけます。他の騎士から非難されるだけでなく、なにより大切なレディからの祝福も受けられなくなりますね(笑)」

騎士道においては、レディ(婦人)の存在がとても重視されている。「アヴァロン」にも女性会員は多く、中世の衣装や料理の再現といった活動を行う(女性戦士もいる)ほか、騎士たちにトレーニング上の“試練”を課す役割も負っているそうだ。

「我々はモラルを教える団体ではありませんが、厳しい戦闘訓練と様々な文化活動を通じて、古きよき技術と精神を学んでいます。よい騎士は、歌やダンスもうまくなくてはいけません(笑)。そうして培った心身のスキルを日常生活の場で発揮することが、現代に生きる騎士道の役割といえるでしょうね」

なお、アヴァロンの母体となったアメリカの中世文化再現団体「SCA」は世界各国に支部を持ち、数万人の会員を擁するという。意外にも世界中で多くの人が学んでいる騎士道。RPGなどが好きな人は、結構興味あるのでは?
(R25編集部)

※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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