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2008年06月24日(火) 09時54分

分校で栽培された“孤立”イチゴを無事収穫スポーツ報知

 岩手・宮城内陸地震の影響で道路が分断、孤立した宮城県栗原市の市立栗駒小学校分校で、児童らが育てたイチゴが市教育委員会の一時立ち入りで24日までに収穫された。厳しい避難生活が続く住民や児童らは表情を緩ませながらイチゴを口にした。

 イチゴは数年前から総合学習の一環で、宮島さく子教諭や児童らが分校の畑で栽培。「今年はこれまでにない豊作」(宮島教諭)だったが、収穫期を目前に震災に見舞われ、水やりなどの世話ができないでいた。

 佐藤光平教育長らが23日、状況把握のためヘリで分校へ。校舎の壁に亀裂が入り、校庭にも地割れがあったが、畑は無事。小粒だが、赤く熟したイチゴの実を給食室にあった容器に詰めて持ち帰った。

 育てた女子児童らが暮らす避難所にイチゴが届けられると、住民らから歓声が。女子児童は「大切に育てたのでおいしい」と笑顔でほおばり、母親も「わざわざ取ってきてくださり、感激です」と話した。

 宮島教諭は「地震は子供たちの多くの楽しみをぷつんと切った。イチゴが希望をつないでくれるといい」と話した。

 分校の児童は3人。分校で再開のめどは立っておらず、本校の校舎で授業を再開している。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080624-OHT1T00097.htm