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2008年06月24日(火) 02時31分

<NOVA>元社長と社を書類送検へ 1億円賃金不払い容疑毎日新聞

 経営破綻(はたん)した英会話学校最大手NOVA(破産手続き中)の賃金不払い問題で大阪労働局は23日、外国人講師や日本人スタッフ約400人に対して約1億500万円の賃金を支払わなかったとして、猿橋望元社長(56)と同社を今週中にも労働基準法違反(賃金不払い)容疑で書類送検する方針を固めた。残業代や退職金を除いた賃金の不払い事件としては、過去最大の立件規模。

 猿橋元社長は意図的な不払いを否定しているが、労働局は給与を支払える見込みがなかったのに無理な事業運営を続けた疑いが強いとみている。07年10月の破綻以降の休業補償を含めた同社の不払い被害額は、退職金を除いても約41億円に達するという。

 NOVAは、経済産業省から特定商取引法に基づく一部業務停止命令を受けた07年6月以降、経営状態が悪化。9〜10月に外国人講師や日本人スタッフ計約7700人に支払う予定だった給与約18億円が支給されなかった。労働局はこのうち約1億500万円分について立件する方針。

 関係者によると、猿橋元社長は労働局の調べに、不払いの事実は認める一方で「私財投入を含めた資金調達に奔走していたが、突然の社長解任で実現しなかった」との趣旨を供述した。しかし労働局は、当時すでに資金調達の実現性はほとんどなく、賃金を支払う意思があったとは考えにくいと判断した。

 不払い賃金を巡っては、破綻企業に代わり国が未払い賃金の8割(上限296万円)までを立て替える制度がある。独立行政法人「労働者健康福祉機構」によると5月末現在、NOVAの元講師ら6921人から29億1000万円の請求があり、6751人に28億5000万円が支払われた。【長谷川豊】

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