2008年06月24日(火) 11時58分

【香港】世界をまたに「当選しました！」、海外華人の被害続出（NNA）

　「おめでとうございます！懸賞に当たりましたので保証金を振り込んでください」——。電話や電子メールでおなじみの懸賞詐欺を、米国や英国、スイスなど海外に住む華人を専門に狙って繰り返す犯罪グループの存在が明らかになった。香港警察には海外からの被害通報が20件以上寄せられている。

　詐欺グループは5人以上からなるとみられる。主な手口はまず、1人が有名企業の職員を装い「お客様はVIP会員に当選しました」と電話。数日後に今度は「当社開催の展覧会にご招待します」と持ちかける。被害者が出席を断ると、後日、「展覧会の抽選で賞金が当たりました。賞金は香港の銀行に振り込みました」として、“香港の銀行”の電話番号が伝えられる。指定の番号に電話をすると「引き出しには保証金が必要です」となり、多額の“保証金”をだまし取られる仕組みだ。さらに数日後、税務署職員を名乗る人間から「賞金の所得税を払ってください」との電話も掛かり、被害者はまたまただまされてしまう。

　これらの電話はすべて違う人物によって巧妙に演じ分けられるといい、被害者には高学歴の人物も多い。オーストラリアに暮らす59歳の男性は、120万HKドル（約1,600万円）の被害に遭った。犯罪に使われる電話番号と口座が香港にあるため、海外の警察では立件が難しく、香港警察は国際刑事警察機構（ICPO）と連係して捜査に乗り出している。23日付香港各紙が伝えた。
　
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