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2008年06月24日(火) 13時19分

山谷えり子議員らが偽装映画『純愛』を支援オーマイニュース

 NPO詐欺問題をうやむやのまま片付けた偽装映画『純愛』は、興行の手を中国に広げつつ、国会議員の支援もとりつけていた。中には、ずいぶんと積極的にかかわっていることにされている議員もいるようで……。

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■筆頭は山谷えり子議員

 前回書いた中国・北京での「披露上映」では、例によって主演・総指揮の小林桂子氏ら関係者が舞台挨拶に立った。『純愛』製作実行委員長・奥山省吾氏が『純愛』周辺に配布している文書によると、ここには高村正彦外務大臣のほか山谷えり子参院議員・越智隆雄衆院議員・渡嘉敷奈緒美衆院議員が祝電を寄せたという。

 「実は、今年3月18日に映画議員連盟による上映会が東京の憲政会館で行われ、国会議員や中国大使館関係者を招いて『純愛』が上映された。この上映会に『純愛』を推薦したのが、山谷さんと越智さん。中でも山谷さんは、難民映画祭出品決定に対してもお祝いのメッセージを寄せていて、その手紙を奥山氏から見せられたという関係者もいます」(『純愛』周辺人物)

 国会議員の名は『純愛』内部で現状正当化の材料に使われているようで、その筆頭が山谷議員、というわけだ。

「映画の内容に賛同しただけ」と口をそろえる議員たち

 映画議員連盟事務局長・斉藤斗志二衆院議員の事務所によると、同連盟は日本映画文化の発展を目的として国会会期中に不定期で上映会を開催する議員の集まりだという。

 「『純愛』のNPO法人問題については、上映の際に『純愛』関係者が挨拶で語っていたような気がする、という程度しか知りません。ただ、映画議員連盟の上映会は、あくまでも文化としての映画作品を鑑賞する集まりですので。政治的・宗教的な作品も排除しています。『靖国』? いや、それは上映してません」(同事務所)

 一方、北京の「披露上映会」に祝電を送ったとされている高村外務大臣の事務所は、事実関係について「すぐ調べられる範囲ではわからない」という。

 「送っていないと言い切れるわけではありませんが、送ったかどうかをいまから調べられるかというと、難しい」(同事務所)

 奥山氏とは資生堂勤務時代の同僚だという渡嘉敷議員は、ご本人が「作品の内容に賛同して祝電を送っただけであり、それ以上のことはない」と語った。越智議員の事務所は返答なし。山谷議員の事務所からは、このような回答が。

「山谷議員は(映画議員連盟の上映会に)いままで5〜6本の映画を紹介しており、『純愛』もそのひとつにすぎません。作品の内容が良かったからであって、内部の事情は全く聞いていませんので、これ以上のことをコメントする立場にありません」(同事務所)

■ウソをついているのはどっち?

 作品の内容に共感して応援しただけなら、議員の側に大きな問題があるわけではないだろう。問題なのは、国会議員という影響力が強い人々の名が『純愛』内部で吹聴されている点だ。特に山谷議員については、議員連盟の上映会後に客を送り出すため『純愛』関係者とともに出口に立ったほどだと、奥山氏が『純愛』関係筋に宣伝している。

 「奥山氏は、山谷議員がNPO偽装問題やネットの記事を知った上で、『純愛』の名誉回復のため『並々ならぬ協力をしてくれている』とも説明していますよ」(周辺人物)

 『純愛』の内部事情を「全く聞いていない」とする山谷議員側の言い分と食い違っている。奥山氏がまたウソをついているのだとしたら、名前を利用された山谷議員は新たな被害者ということになる。はたして、ウソをついているのはどちらなのだろう。

 肝心の奥山氏に確認を試みたが、携帯電話にメッセージを残しても出てくれない。試しにメッセージを残さずコールだけしておいたら、返信があった。

 「ああ、あなただったんですか。(知らずに)かけちゃったよ〜。取材は受けませんので」(奥山氏)

 という態度で取材拒否。国会議員の名前を吹聴しているご本人の言い分を聞くことはできなかった。すまん。誰か聞いてみてくれ。

奥山省吾:090-7283-5821(『純愛』公式サイトに掲載されている番号)

(記者:藤倉 善郎)

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