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2008年06月24日(火) 22時33分

橋下知事「今、ハッピーパラダイスは東京だけ」産経新聞

 「職員には100点満点をあげたい」。知事就任から約5カ月。ようやくまとまった予算案に、大阪府の橋下徹知事は24日の記者会見で満足げな表情を見せた。10年連続の赤字予算となったことには「これぐらいの赤字額はあってしかるべきだ」とし、総額で5兆円近い府債の返済についても「ほぼ見通しがついた」と自信たっぷりに語った。

 この日、橋下知事は「おなかの調子が悪い」と体調は思わしくない様子だったが、会見では「出血を止めるため、見たことのないような緊縮予算にしました」と、しっかりとした口調で説明を始めた。

 大阪維新プログラム案に沿って1100億円の収支改善に取り組んだことを受け、予算案では「借金の増大傾向は止められた」としたが、税収不足が想定を上回る380億円にのぼった結果、最終的には赤字予算に。36億円の赤字計上には「単年度でみれば収入の範囲で予算を組んだが、前年度からの繰り越し赤字が50億円あった。もともとの試算は粗いものだったので、これくらいの幅はあって当然と思う」と述べた。

 会見場のテレビモニターに映し出された、税収の伸び悩みを示す棒グラフを眺めながら、「うーん、なかなか難しいですね」と説明の手を止める場面も。「今、(地方自治体で)ハッピーパラダイスは東京だけ」と自治体財政の厳しい現状を訴え、国からの税源移譲の必要性など、持論を展開した。

 府債について橋下知事は「行政に対する需要が高まるなか発行額を抑え、できる限りの将来見通しを出した。僕には道筋がすごい見える」と話した。

 府はこの日、今後9年間でこれまでの6500億円に加え、新たに1270億円の収支改善を上積みする必要があることも公表。さらに厳しい府民負担が迫られる見通しとなったが、橋下知事は「これまでは、将来的にどの程度の収支改善が必要なのかが分からなかった。足りないものを府民に示すことが必要。夢やビジョンはこの段階では見えないが、かじ取り役として、数字が見えているなかで運営できるほど明るい話はない」と言い切った。

 また、来年度以降の予算編成の考え方についても「やむをえないときは例外もありうるが、収入の範囲で予算を組むことと、府債発行原則ゼロの方針は踏襲したい」と今回の手法を継続する姿勢を明らかにした。

 予算案は7月1日に開会する府議会臨時会で審議される。議会運営について橋下知事は「いろいろ議論はさせてもらうが、議会が否決までやってくるのかどうか。せめぎあいになると思う」と述べた。

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