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2008年06月24日(火) 00時00分

ペットの食育広めたい読売新聞

八王子に協会
ペットの食事に関して飼い主にアドバイスする須崎院長(八王子市めじろ台の須崎動物病院で)

 ペットの食事に関する正しい知識を広めようと、八王子市めじろ台の動物病院長、須崎恭彦さん(39)が、「ペット食育協会」を設立した。ペットの食育に関する団体の設立は全国的にも珍しく、須崎さんは「食を通してペットの快適な生活を支援していきたい」と話している。

 須崎さんが食育に関心を持つきっかけは、父親の病気だった。9年前、脳梗塞(こうそく)を患った父親に食事療法を勧めたところ、高血圧や高脂血症の症状が明らかに改善されたという。

 肥満やがん、アレルギーなどを患うペットにも適応できるのではないかと、身近な食材を使った手作り食を試したところ、体質改善や自然治癒力のアップにつながった。

 手作り食の基本は野菜やごはん、肉など色々な食材を煮込んだ雑炊で、水分を多く含み、体調不良の大きな原因となる老廃物や毒素の排出に効果があるという。

 ところが、ペットの食事に関しては、生野菜や塩分はだめ、ミネラルウオーターを飲むと結石症になるなど、誤った情報が出回り、手作り食をちゅうちょする飼い主は多い。一方、市販のペットフードは便利で栄養価も高いが、体質に合わず、体調を崩す多くのペットを診察で見てきた。

 須崎さんは「人間にも好みや体質があるように、動物にも個体差がある。多くの選択肢からそれぞれに合った食事を考える必要がある」として、市販のペットフードの上手な使い方とともに手作り食を推奨する。

 同協会では、ペットの食育の知識を普及させるため、講座を開いて指導員の養成に力を入れている。指導員は現在、約30人おり、一般家庭などで体験講座を開き、ペットの栄養や健康についての質問に答えるほか、簡単にできる手作りメニューを実際に披露している。

 須崎さんは「ペットの食育を通して、飼い主自身の食生活を見直すきっかけにもなればうれしい」と話している。

 問い合わせは、ペット食育協会(042・629・2688)へ。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyotama/news/20080623-OYT8T00797.htm