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2008年06月23日(月) 11時59分

「海猿」たちの学生祭オーマイニュース

 『海猿 - UMIZARU -』(うみざる)といえば、保安大で潜水士候補生の厳しい訓練や人命救助を中心とした海上保安官の活躍を描いた物語。映画になったことはよく知られている。海上保安大学校(Japan Coast Guard Academy)は幹部保安官を養成する海上保安庁所管の大学校で広島県の呉市にある。

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 海上保安大学校で第58回学生祭(6月14・15日)があると連絡を受けたので行ってきた。初日、14日(土曜日)しか行くことができなかったのだが、巡視船“みずほ”の一般公開、潜水研修実演、洋上クルージングや大学構内にある海上保安資料館などを見学させてもらった。

 この学生祭は以前は「竜宮祭」と呼んでいたはずだが、現在では「海神祭」というのだ。これは「うみがみさい」でも「かいじんさい」でもない。「わたつみさい」と呼ぶのである。わたつみというのは、わだつみとも呼ばれるが日本神話に出てくる海の神をいう。竜宮祭から海神祭に変わって何年になるのか学性たちに尋ねてもはっきりしないが、海上保安大学校の学生祭が58回になることは間違いない。

 学生祭のサブタイトルは、「58回目のプロポーズ 嗚呼母なる海に愛をこめて」であった。

 やはりこの日のメインは、潜水研修実演で敷地内にある訓練プールの周りには大勢の見学者が訪れ「海猿」たちの潜水訓練を熱心に見ていた。海上保安庁の潜水士は海上保安庁全職員の中でも1%しかいない人命救助のスペシャリストだと言われる(学生祭パンフより)。

 公開巡視船は、ヘリコプター2基搭載の大型巡視船「みずほ」である。いつもは「こじま」が停泊しているのだが、目下遠洋航海途上にあるため不在。

 せっかくだから敷地内にある海上保安資料館に行ってみた。館内にはすでに引退した巡視船の模型や船艇装備品、警備救難品など関連資料が展示されている。

 ひときわ目を引くのが、巡視船「あまみ」の被弾した船橋である。01年に九州南西海域で不審船を発見、その際に船橋を被弾したのだが、そのときの生々しい装備品がそのまま展示されていた。そばにあるモニターではそのときの様子を克明に記録したビデオを流しており、緊迫感が伝わってくる。

 翌15日は学生祭2日目だがあいにく天候は雨、所用があり行くことができなかったのが心残りであった。

(記者:松原 ただし)

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