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2008年06月23日(月) 12時03分

感情は変えられないが、思考や行動は変えられるオーマイニュース

 日本経済新聞社および日経HRが主催する日経転職応援フォーラムが2008年6月21日、東京ドームシティ・プリズムホールにて開催された。オーマイニュースの画面上部のバナー広告でも紹介されたイベントだ。記者は別企業が主催する「第47回エンジニアtype適職フェア」にも参加したので、両者を比較しながら紹介したい(参照「 プロフェッショナルとは何か、転職フェアで考えた 」)。


 両者とも同じ会場で開催され、求人企業のブースが並び、転職相談コーナーがあり、セミナーが開催された点は共通する。typeが製造(ものづくり)系エンジニアとIT系エンジニア限定であったのに対し、日経は「総合」「ITエンジニア」「金融」「女性」の4コーナーを設け、多くの職種を対象としていた。また、女性向け求人があるため、女性参加者が多かった。

 typeはエンジニア対象のためか、カジュアルな参加者も多かったが、日経はスーツが大半であった。会場にドリンクコーナーがあり、飲料を配布している点は同じ。参加者にQUOカードがプレゼントされる点も同じだが、typeが携帯電話のメールアドレスによる事前登録者対象であるのに対し、日経ではアンケート回答者に渡された。

  typeでは最初に自分の職歴や希望条件をまとめた企業訪問カードを書かなければならない。これは日経も同じだが、事前登録者は事前登録時の情報を印字した企業訪問カードを渡される。会場で書くのは時間がかかる上、立ったまま急いで書くため、字も汚くなる。この点で日経のサービスは優れている。

 セミナーからは小笹芳央(おざさ・よしひさ)氏の「自立的なキャリアデザインに向けて〜アイカンパニーの設立とキャリアの因子分解〜」を紹介したい。

 小笹氏は企業変革コンサルティング会社である株式会社リンクアンドモチベーションの代表取締役である。セミナー開催の20分前には座席は大半が埋まり、立ち見が出るほどの盛況であった。

 セミナーでは自分自身を株式会社(アイカンパニー)と位置付け、アイカンパニーを成長させるヒントを提言した。一方的に説明するのではなく、聴衆に隣の人とジャンケンをさせるなど奇抜な手法を使って聴衆を惹き付けており、プレゼンの仕方としても勉強になった。

 小笹氏の主張の1つは「変えられるものにエネルギーを集中する」である。感情や生理反応は変えられないが、思考や行動は変えられる。腹の立つことがあれば怒りの感情が生じるのは避けられない。だから腹の立つことに直面しても、「ちょうど良かった。これで○○できる」と考えるようにする。マイナス感情に引きずられるのではなく、主体的に意識して思考や行動を決めようと提言していた。

 これは記者にも思い当たることがある。記者は東急不動産(販売代理:東急リバブル)からマンションを購入したが、引き渡し後に不利益な事実(隣地建て替えなど)を隠して騙し売りされた真相を知った。その後、東急リバブル・東急不動産の対応は「売ったら売りっぱなし」という不誠実極まりないものであった。当然、記者は烈火のごとく腹を立てた。

 しかし、一生に一度あるかないかの大きな買い物で問題物件をつかまされて鬱屈としたわけではなかった。

 「東急リバブル・東急不動産の企業体質を知ることができて、ちょうど良かった。東急不動産とは縁を切ろう」と決意し、消費者契約法に基づき、売買契約を取り消した(参照「 東急不動産の遅過ぎたお詫び 」)。それによって今の記者がある。

 仕事面だけでなく、人生を豊かにするためのヒントが満載のセミナーであった。

(記者:林田 力)

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