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2008年06月23日(月) 02時31分

<介護給付詐欺>社長ら関係者数人逮捕へ 愛知・豊田毎日新聞

 愛知県豊田市の認知症高齢者グループホーム「ひだまりとよた」が同市から介護給付費数千万円をだまし取った疑いが強まり、愛知県警捜査2課と豊田署などは近く、運営会社の社長(44)ら関係者数人を詐欺容疑で逮捕する方針を固めた。

 豊田市高齢福祉課によると、ひだまりとよたは02年11月〜07年4月、入所者数が定員の18人を下回っていても定員を満たしていると報告したり、実際にはいないケアマネジャーを配置しているように装うなどの手口で、同市から介護給付費計約4700万円をだまし取った疑いがあるという。うち一部について県警は詐欺容疑での立件が可能と判断した。

 同ホームは02年5月設立、認知症の高齢者が介護を受けながら共同生活していた。内部通報を受けた豊田市が監査した結果、給付費の不正受給疑惑が浮上し、市は07年4月に詐欺容疑で県警に告訴するとともに、同6月に介護保険事業所の指定を取り消していた。

 厚労省の推計によると、認知症高齢者は90年の約101万人から05年には約189万人に増え、グループホームも増加傾向にある。しかし、小規模のため外部の目が届きにくいという指摘もあり、豊田市が年1回行っていた「ひだまりとよた」への立ち入り検査でも不正を見抜けなかった。

 関係者によると、社長はもともと不動産業者で介護の知識は乏しく、職員に「もっと稼げ」などと不正を指示していたという。同県日進市でも福祉施設運営会社「マリアライフ」を経営していたが、06年末▽常勤のサービス提供責任者を配置していない▽訪問介護計画を作成していない−−などの法令違反が発覚し、処分前に事業廃止届を県に提出した。

 社長は先月、別の詐欺未遂容疑で逮捕、起訴されている。【桜井平】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080623-00000006-mai-soci