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2008年06月22日(日) 14時30分

しらを切る被調査人、しかし追い詰められて〜市民記者が検証した「探偵の仕事」(7)オーマイニュース

 6月11日、枚方市の男性宅を訪れた。男性(以下夫)は私を部屋に通すと妻を呼び「話がある、立会人として××さんの友人で夫婦問題に詳しい湯浅さんに来てもらった」と話し始めた。

夫:浮気してるよね。

妻:何度も言うように、してない。探偵を付けても何も出てこなかったでしょ?

私:探偵につけられたのですか?

夫:(無言)

妻:昨年末に「お前には探偵を付けてるからな!」と主人に言われました。

 これは話が違う。探偵を依頼しておいて被調査人にそんなことを言えば、調査になるはずがない。

私:ご主人、なぜそんなことを言ったのですか?

夫:誰にも会ってほしくなかった、そう言えば会わないかと思った。

私:そんな状況で仕事をさせられた探偵はたまったものじゃないですよね。奥さん、そういう状況で浮気なんてしないですよね。

妻:そんなことするわけがないじゃないですか。私、テニスクラブの駐車場に見かけない車を何度か見かけました。

 妻が必要以上に警戒している理由がよく分かった。普通はあそこまで警戒しないものなのである。

私:でも奥さん本当に浮気してません?

妻:私がそんな女に見えますか? やっと子育てが終わって、これから夫婦楽しくと思ったときに、主人が被害妄想的に私を疑ってばかりで……。

私:私はご主人の話をお聞きしていて、私なりに考え、状況を調べました。どうもご主人の被害妄想だけではないと思うのです。どうです? ご主人。私の口からその根拠を言うより、奥さんから言ってもらった方が良くないですか?

夫:そうしてほしいです。

妻:何もないことは何もないとしか言えないでしょ!

私:私は結婚していても恋はするものだと思います、人も動物ですから、雌雄男女がいれば恋もする。ただ、人の家庭に悪しき秘密があったら……。それが家人に気づかれたら、家庭は良くない状況に陥ります。もし、そのような状態になったら正直に話して良くない状況から元に戻れるのか話し合うべきです。土曜日に決まって行かれるホームセンターって買い物だけじゃありませんよね、これから未来のために話してください。

妻:湯浅さんまで夫の妄想に付き合っているんですか!? (随分声を荒らげて)何もないのに疑われながら毎日を過ごす私の方が気が狂いそうです。

私:ご主人はやり直したいと思っているんですよね?

夫:はい。

私:それでは奥さん話した方がいいですよ、奥さんの口から。

妻:どこに証拠があるんですかっ!

 私は黙ってホームセンターとホテルのツーショット写真を見せた。

妻:あなたたちは汚い手を使って! 男として恥ずかしくないの?

私:私は「奥さんは汚い」とは絶対言いません。ただ、ご主人も汚くない。奥さんはご主人がたまたま奥さんのメールを見て以来、ずーーっと苦しんでノイローゼになるぐらい苦しんで、それでも仕事にまじめに行っているのを毎日見て来たでしょ。それなのに浮気を止めないのは人として冷たすぎますよ、気づかれた時点で止めるべきだったのです。

妻:この人は私に「年取った、体がたるんだ、どこかでモテて来い!」と言ったからそうしたまでです。

私:ご主人と別れたいのですか?

妻:そんなつもりはないけど、ここまでされたら、この人の言うとおりにします。

私:ご主人はやり直したいと言っています。ケジメを付ける必要はありますよね。そうでなければ、ご主人は今後もあなたを疑い続けなければなりません。今後、ご主人を安心させる努力ができますか?

妻:それはします。

私:具体的には?

妻:1人で外出はしません。

私:24時間ご主人はあなたと一緒にはいられませんよね。それでは安心できません。

妻:では、どうすれば……。

私:まず、相手の男性をここに呼んでください。そしてもう二度と会わないと念書を書かせてください。あなたもです。

妻:それは困ります、私が相手の家庭を壊すぐらいならここで私が死にます。

〈全8回、つづく〉

(記者:湯浅 秀昭)

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