記事登録
2008年06月22日(日) 14時24分

やっぱりあった不貞関係〜市民記者が検証した「探偵の仕事」(6)オーマイニュース

 5月10日。朝から雨が午後も続く、絶好の「尾行日和」である。車両を尾行する場合、対象車両と自車両の間にほかの車を数台挟んで尾行するが、信号のない交差点を右折されると無理に突っ込めず失尾することが多い。雨天時はよほど警戒していても後続車両に対する注意まで気が回らなくなる。「今日決まれば」と願った。

 やはり、今日も2階駐車場をメインに据えることにした。なんとなく、と言うより経験上、世を忍ぶ人は明るいところより暗いところを好む傾向にあるからである。

◆5月12日、土曜日、雨◆

12時03分 ホームセンター2階駐車場着、張り込み開始
14時24分 男性より自宅を出たとの連絡あり
14時42分 2階駐車場に被調査人を確認
14時45分 男1人乗車のセダンに乗り込む(写真・ビデオ撮影)
14時46分 出発、尾行開始
15時04分 約8キロ離れた京都府八幡市(国道沿い)のラブホテルに入る(写真撮影)

 被調査人たちはホテル入り口に近いところに車を止めたため、ホテルを出て車に乗り込む証拠写真を国道反対車線から撮影可能であると判断。ビデオと500ミリ望遠レンズにて撮影準備。

 交通量が多いため、国道を走る車両が撮影を遮るのが不安だ。

 調査に当たって、私に女性スタッフがいれば被調査人と男がホテルから出てくる時間帯を見計らい、女性スタッフと2人、車でホテル駐車場に侵入することができる。女性スタッフがホテルに入ることをためらっているそぶりをしてくれれば、ホテル従業員にも怪しまれないだろう。しかし、相手男性の素性が分かっていないので、接近は危険。感づかれてしまって、この先の調査に支障を来す可能性がある。

17時22分 ホテルより出て車に乗り込むところの撮影に成功。尾行開始
17時46分 ホームセンター2階駐車場にて被調査人が男車両より降りる(ビデオ・写真撮影)
17時47分 男を特定するため尾行開始
18時27分 途中コンビニで雑誌を立ち読みするも、大阪府交野市の自宅と思われる一戸建てに到着。張り込み開始
24時12分 消灯、自宅と断定、表札より氏名確認

──この日の調査終了

 これで不貞関係の証拠写真と相手の男が判明した。雨の日で大胆な尾行が可能であったことと、被調査人たちが自分たちの密会方法に自信を持っていたことが幸いした。被調査人が男の車に乗り込むと、シートを終始倒しており、かなり警戒していたことが気にかかる。尾行調査されていることがバレたか、情報がリークされている可能性が高い。

 それは探偵に落ち度がある場合と、男性がしゃべった可能性の2通りが考えられる。それを明確にするためには被調査人である妻本人に聞くしかない。

 この後、時間をかけ相手の男への尾行調査と聞き込みにより、信用金庫に管理職として勤務していることが6月8日に判明した。

 通常の探偵業務は、この時点で依頼者に報告書を作成し渡して終了である。しかし知人の紹介でもあるので、今後家庭がうまく行くように、私なりに道筋を提示することも必要であるし、妻から話を聞き探偵の落ち度についても検証する必要があるので、しばらく付き合うことにした。

 そして、6月11日、午後9時に男性宅を訪問。話し合いに同席することにした。私は男性の友人であり立会人と言う立場である。

 激高してDVなどに走ることを避けるため、男性には「調査が終了した」としか伝えていなかった。

〈全8回、つづく〉

(記者:湯浅 秀昭)

【関連記事】
彼が依頼したのは「不良探偵」だったのか(1)
まず私が、依頼人の妻を調査することにした(2)
相談者との関係を整理、探偵に事情を聞く(3)
不貞はいつどこで? 仮説を建て直し調査開始(4)
どうも被調査人はクサい(5)
湯浅 秀昭さんの他の記事を読む
【関連キーワード】
探偵
浮気

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080622-00000006-omn-soci