杉やヒノキの苗木を育て、植樹しようという取り組みに、世田谷区の小中学生たちが参加している。学級園に種をまくところから始め、2年かけて育てる壮大な計画。「命をはぐくむのには時間がかかることを知ってほしい」と、学校側は期待している。
工務店が加盟して作る「匠(たくみ)の会」が、森を育てようと今年から始めた「苗のリレー」事業の一環。都会の子どもたちに苗木を育ててもらい、山間地の子どもたちの手で植林するという試みで、今年は1都3県の6校で始まった。都内では世田谷区の守山、八幡小学校、喜多見中学校が参加した。
守山小では4年生28人が協力する。3年生だった3月から、学級園の一部を使って土作り、盛り土をし、1坪ほどの畑を用意した。4月末に同会の指導で種をまいた。
子供たちは交代で水をまき、雑草を取り、観察日記をつける。岡崎未羽さん(9)は「一つでも多く育ってほしい」と願って、畑に水をまいていた。
5月末にようやく芽が出始めた。植林できるまで育った後、和歌山や宮城などの森に植えられることになっている。
しかし、苗木を育てるのは簡単なことではない。水の加減が難しく、天候にも左右される。無事に苗まで育つのは、プロの業者でも20〜25%程度という。
担任の藤田祐子教諭(53)は「一度伐採された後、苗木から育てるのには時間も手間もかかることを実感してほしい。身近な自然を大事にすることを考えるきっかけになれば」と話していた。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20080622-OYT8T00121.htm