記事登録
2008年06月22日(日) 20時34分

<NOVA>元社長を業務上横領容疑で強制捜査へ毎日新聞

 経営破綻(はたん)した英会話学校最大手「NOVA」(大阪市、破産手続き中)の社員互助組織の口座に積み立てられていた約3億2000万円が07年7月、関連会社を通じ、NOVAの口座に移っていたことが分かった。NOVAは当時、資金繰りが悪化しており、解約した生徒への返還金などに社員らに無断で充てられたとみられる。大阪府警捜査2課は、猿橋望・元社長(56)が指示したとみて、近く業務上横領容疑で強制捜査する方針を固めた。

 NOVAは07年6月、経済産業省から解約手続きなどを巡る特定商取引法違反で一部業務停止命令を受けた。同10月に会社更生法の適用を申請し、経営破綻。以降、府警が同社の不透明な金の動きについて捜査を進めていた。

 関係者によると、互助組織は「社友会」で、慶弔費など社員の福利厚生が目的。社員の給与から、役職などに応じて毎月1000円〜3000円程度が天引きされ、積み立てられていた。代表者は猿橋元社長で、社員らの委託を受ける形で口座の通帳と印鑑を管理していたという。

 社友会の口座残高は07年7月、約3億2000万円だった。同月中旬に猿橋元社長がオーナーを務める関連会社「ノヴァ企画」に入金され、同日中にNOVAの口座に移されていた。その後、この口座から、解約した生徒への返還などの金が引き落とされた。

 府警は、当時の経理担当社員が猿橋元社長の指示を受け、金を動かしたとみている。

 猿橋元社長の代理人弁護士は「解約金返還のために社友会の金を使ったのは認めるが、会社を立ち直らせるためだった。私的流用は一切ない」としている。【田辺一城、山口朋辰】

【関連ニュース】
着服:市立小教頭が57万円横領し懲戒免職 仙台
NOVA:主要事業を買収した学習塾がFC展開も 名古屋
警察官不祥事:匿名や非公表の正当性を問う 警察発表実態調査から浮かぶ問題点
窃盗・詐欺:容疑で県民信組元調査役を追送検--計574万円 /山梨
県民信組:関東財務局が改善命令 暴力団関連?企業に大口融資 /山梨

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080622-00000071-mai-soci