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2008年06月22日(日) 19時00分

「あっそうですか」…再逮捕に淡々 秋葉原通り魔産経新聞

 東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、静岡県裾野市の派遣社員、加藤智大(ともひろ)容疑者(25)が、警視庁万世橋署捜査本部の捜査員から殺人容疑での再逮捕を告げられた際に「あっそうですか」などと淡々と答えていたことが22日、分かった。17人が死傷した結果の重要性は認識している様子ながらも、被害者個人に対する反省の弁はないという。同日、身柄の送致を受けた東京地検は来月上旬にも鑑定留置を請求して精神鑑定を実施し、心理状態を分析する。

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 調べでは、加藤容疑者は8日午後0時33分ごろ、歩行者天国が始まった交差点にトラックで突っ込んで5人をはね、うち3人を殺害。その後、トラックを乗り捨て、通行人ら12人をダガーナイフで刺し、東京芸術大4年の武藤舞さん(21)=東京都北区=ら4人を殺した疑い。

 武藤さんはトラックではねられた被害者を見て携帯電話から110番した直後に刺されたという。通報を受けた警視庁の通信指令本部には武藤さんの無言の通話記録が残っていた。また刺された人のうち警察官ら3人も、被害者を救護中に襲われていた。

 加藤容疑者は、のめり込んでいたネットの世界で反応がないことなどから孤独感を深め「ネットの人間に存在を気づかせたく、大きな事件を起こそうと思った」などと動機を供述。自らの境遇や生い立ちを話す際には涙を見せる場面もあるという。

 ただ事件については「申し訳ない」と話すものの、逮捕事実を捜査員から告げられた際には淡々とした様子で、武藤さんら被害者に対して感情を表したり、謝罪することはなかった。

 捜査本部は今後、現場を別の場所に再現。加藤容疑者を立ち会わせて検証を進め、犯行状況を確定させるとともに、生い立ちや心理状態についても調べる見通し。

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特集「秋葉原通り魔事件」

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