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2008年06月21日(土) 16時01分

「断腸の思い」「最高の治療を」=現場で苦渋決断−派遣チーム医師・秋葉原事件時事通信

 「断腸の思いだった」。東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、日本医科大付属病院の荒木尚医師は発生直後、患者の負傷の程度により搬送の優先順位を決める「トリアージ」を実行。凄惨(せいさん)な現場を振り返り、苦渋の決断としながら「最大多数の方に最高の治療を提供するための判断だった」と語った。
 荒木医師は同僚の医師ら2人とともに、都の災害派遣医療チーム「東京DMAT」の一員として、8日午後零時55分ごろ、現場に到着。二手に分かれてトリアージを始め、呼吸の状態やつめの色などから、負傷の程度を判断した。
 トリアージは赤、黄、緑、黒の順で、治療の優先順位を判断して「トリアージ・タッグ」を被害者に付けていく。黒は蘇生(そせい)の可能性がないと診断された人を示す。
 荒木医師は「泣く泣くというか、断腸の思いで判断した。黒は非常にショッキングなイメージがある」とした上で、「赤を付けて搬送された患者さんの中に命が救われた方がいることも理解してもらいたい」と話した。 

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