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2008年06月21日(土) 08時01分

ネット世界でも孤立 加藤容疑者、殺人で再逮捕 秋葉原無差別殺傷産経新聞

 東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、静岡県裾野市の派遣社員、加藤智大(ともひろ)容疑者(25)=殺人未遂の現行犯で逮捕=が、警視庁万世橋署捜査本部の調べに対し「ネットの人間に存在を気づかせたくて、どうせやるなら大きな事件を起こしてやろうと思った」と供述していることが20日、分かった。捜査本部は同日、死亡した7人に対する殺人容疑で、加藤容疑者を再逮捕した。

 加藤容疑者は携帯サイトの掲示板に5月以降、3000件を超える書き込みをしていた。「現実の世界では嫌なことがあっても誰にも言えず、ネットの世界にのめり込むようになった」と話している。

 秋葉原をねらったことについては「たくさん殺そうと思い、ホコ天(歩行者天国)をねらおうとした」と供述している。

 調べでは、加藤容疑者は8日午後0時33分ごろ、歩行者天国が始まって人通りが増えるのを見計らい、赤信号の交差点をトラックで突っ込み、歩行者5人をはね、東京情報大2年の川口隆裕さん(19)=千葉県流山市=ら3人を殺害。さらに約70メートル先でトラックを乗り捨て、交差点方向に戻りながら12人をダガーナイフで刺し、東京芸術大4年の武藤舞さん(21)=東京都北区=ら4人を殺した疑い。

 東京地検は、現行犯逮捕した殺人未遂容疑について処分保留とした。今後、加藤容疑者の責任能力を確認するため、起訴前に精神鑑定を実施する方針。

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 ■加藤容疑者の供述

 加藤智大容疑者が警視庁万世橋署捜査本部の調べに対し語った動機などは以下の通り。

 人生の鬱憤(うっぷん)のようなものが出てきて、嫌になって事件を起こした。現実の世界では嫌なことがあってもだれにも言えない。そのため現実の世界から逃げてネットの世界にのめり込むようになった。誰でもいいから構ってほしかった。現実でもネットでも孤独になってしまった。ネットの世界の人間に自分の存在を気づかせたくて、事件を起こした。いろいろ書き込んだが、それに対しても無視されるような状態だった。どうせやるなら大きな事件を起こしてやろうと考えた。事件当日、秋葉原で車で歩行者天国に突っ込む、ナイフで人を刺すなどと書き込みをして、もう引き下がれないと思ってやった。

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