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2008年06月20日(金) 08時01分

【Re:社会部】海と山の津波産経新聞

 小高い丘から見下ろす海岸線に、音もなく迫る横一線の白い筋。いつもより入り江の奥まで波が届き、いつもより沖まで波が引く。波が行き来するたび、増えていく腹を見せた漁船や板切れを不思議だなぁと見つめていた…。

 昭和43年5月の十勝沖地震の際、青森県八戸市で津波を見たときの記憶です。まだ幼いころの話ですから、正確な状況ではないにしろ、地震=津波という意識が強く私の中に刻み込まれた気がします。

 しかし、地震による津波は、山でも起こることを4年前の新潟県中越地震と、今回の岩手・宮城内陸地震で痛感させられました。

 中越地震は全村民が避難した旧山古志村(現長岡市)を中心に、地盤が大きく崩壊。内陸地震でも、現場を撮影したカメラマンが「山が一つなくなった」と表現するような大きな山崩れもありました。

 海の津波は警報や注意報が出る分、まだ警戒や避難に意識を向けられます。でも、山の津波に対する警報などはなかなか耳にしません。

 地震に限らず、大雨などでも山の津波は起こり、海の津波より何倍、何十倍も多いはずです。しかも、日本の国土の7割は中山間地帯です。山の津波の被害予防拡充も災害対策の急務の一つだと思います。(竹)

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