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2008年06月20日(金) 08時26分

独自の金融サービス強化 携帯3社、海外でカード型決済もフジサンケイ ビジネスアイ

 携帯電話大手3社が金融系サービスで独自展開を強化している。KDDIは、携帯から口座開設や振り込みなどが行える銀行サービスを7月に開始。ソフトバンクモバイルも、米マスターカードが世界展開するクレジット型決済サービスを携帯で利用できる実験を国内で開始した。NTTドコモも国内向けの決済サービスを海外でも提供する。

 KDDIは17日、三菱東京UFJ銀行と折半出資で「じぶん銀行」の免許を取得。携帯で預金や振り込みなど銀行サービスを受けられるほか、保険や投資信託などの金融商品の購入もできる。

 「住宅ローン以外のすべてのネット銀行向けサービスが携帯だけで受けられる」といい、同社は2010年度中に240万口座、約1兆円の預金量獲得を目指す考えだ。

 ソフトバンクも今月、サムスン電子や日立製作所、日本ヒューレット・パッカードなど国内外の6社と共同で、マスターカードが世界展開する非接触IC技術のクレジット型決済サービスを携帯で行う実験を浦安市の大型商業施設で開始した。

 同サービスに利用される「NFC」と呼ばれる無線通信規格は、日本ではICカード対応のパスポートの読み取り機などにも採用されており、ソフトバンクは「国内外で活用されやすい技術」と判断した。

 NTTドコモは05年から国内の大手スーパーやコンビニエンスストア向けに携帯電話を使ったクレジットカード型決済サービス「iD」を展開しているが、今月末からグアムと北京の日本人観光客が多く訪れる店舗でも順次、サービスが利用可能になる。

 各社には、一度契約すれば継続利用されやすい金融サービスを強化することで、顧客の囲い込みを図る狙いがある。

 KDDIのじぶん銀行はau以外の端末でも利用が可能だが、au利用者ならアドレス帳から同サービスを利用する家族にお金を振り込めるなどサービス面で優遇している。

 各社のサービスは、提携する銀行やクレジットカード会社にとってもメリットが大きい。

 今後、常に手元にある携帯電話経由で買い物をする生活スタイルが広がれば、取扱高の大幅な拡大が見込めそうだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080620-00000024-fsi-ind