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2008年06月20日(金) 14時51分

大阪市が府営水道“丸飲み” 事業の吸収を提案産経新聞

 大阪府と大阪市の水道事業統合で市は20日、橋下徹知事と平松邦夫市長出席の第2回意見交換会で、府が行う府下自治体への用水事業のすべてを平成29年度から市が承継する案を提案した。市水道局が、1日最大約170万トンとされる府営水道事業を事実上、吸収合併する。これにより府は25年間で2460億円を削減でき、府内全域で水道料金も1立方メートルあたり10円程度下げることができるという。都道府県が行う水道事業を市レベルで担うのは例がないが、市は「簡単に言えば水道事業の府から市へ選手交代だ」としている。

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 市の案は、現在、府が担う府南部13市町への用水事業を段階的に譲り受け、平成29年に全事業を市が担う計画。具体的には23年度に府営庭窪浄水場(大阪府守口市)の運転管理業務を市が受託し、25年には同浄水場の事業を承継。さらに29年には市の巽配水場(生野区)から府の藤井寺ポンプ場までの連絡管を市が約380億円を負担して通す。さらに村野浄水場(大阪府枚方市)など府の水道施設すべてを承継した上、府北部への配水も受け持ち、府内42自治体への用水事業すべてを市が担う。
 府営水道が持つ資産は18年度末で5680億円で、負債は2640億円。事業承継に際し、市がこの資産の無償譲渡を受け、債務も引き継ぐ。府営水道で働く市職員として府職員約400人も市水道局職員として引き受ける。市が抱える債務が増えるが、府内の市町村から得られる水道料金などでまかなえるという。
 この案を実現するためには、府が定めている府広域水道整備計画を改定し、府議会が同意しなければならない。そのうえで、市が厚生労働省の用水供給事業の認可を取得する必要がある。これについて市水道局は「ハードルはいくつかあるが、府全域の水道事業を担うのは、各戸に水道を配水してきたノウハウがある市が府内全域に拡大していくのが自然と考えている」としている。

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