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2008年06月20日(金) 12時01分

多重債務相談:件数、昨年度3542件で過去最高 背景に闇金融業者急増 /千葉毎日新聞

 県消費者センターに寄せられた多重債務に関する相談件数が、07年度、過去最高の3542件に上っていたことが分かった。03年と06年の貸金業法改正により、県に登録する消費者金融業者は減ったものの、無登録の闇金融業者が急増していることが原因とみられる。県警の07年の闇金融検挙件数は全国の都道府県で最多で、専門家は「潜在的な多重債務者が急増している」と警鐘を鳴らしている。【中川聡子】
 上限金利引き下げなどの規制強化を盛り込んだ同法改正により、県内の登録業者は03年度末の623から08年5月末の161にまで激減した。しかし、消費者センターへの相談は05年2611件、06年3287件、07年度3542件と3年連続で増加した。
 県司法書士会相談部長の久保田誠司法書士によると、相談者はともに収入が少なく、不況の影響を受けやすい若年層と高齢者層が大半を占める。「バブル期に購入した住宅ローン返済のため、消費者金融計6社からそれぞれ約28%の金利で計260万円を借り、返済できなくなった」「夫が定職に就けず、生活費として計9社から計300万円を借り、返済を迫られているが、子供2人を抱え働けない」といった相談があったという。
 こうした相談者の多くは登録業者に借り入れを断られ、闇金融から違法な金利で金を借りている。県警生活経済課によると、07年の闇金融被害者は6700人で、06年5200人から大幅に増加。検挙件数も43件(06年17件)に上った。営業所を持たず、携帯電話で手続きを取る「090金融」が目立つが、犯行には他人名義の携帯電話が使われるため「犯罪組織の全容解明が難しい」(同課)という。
 こうした現状を受け県は07年、多重債務問題対策本部を設置、相談業務などを始めた。7月12日には県東上総県民センター(茂原市茂原)で無料相談会を実施する。要予約。問い合わせは県県民生活課消費者行政推進室(電話043・223・2271)。

6月20日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080620-00000042-mailo-l12