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2008年06月20日(金) 11時55分

29年ぶりの判決言い渡し 公判中失跡… 「成田闘争」元活動家に有罪産経新聞

 昭和46年、成田空港建設用地の明け渡しをめぐり強制執行の反対派と警察官が衝突した事件で、公務執行妨害と凶器準備集合の罪に問われ、保釈中に逃亡した元中核派メンバーで元地方公務員、渡辺往勇(みちお)被告(69)に対する判決公判が20日、千葉地裁であった。古田浩裁判長は、懲役1年6月、執行猶予4年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。渡辺被告は閉廷後、「三里塚闘争はまだ続いている。これから合流したい」と話した。
 渡辺被告は46年8月に起訴、同年12月に保釈後、54年3月の論告求刑公判に出廷せず行方不明となったが、今月3日に突然、千葉地検に出頭し、29年ぶりに公判が再開された。出頭時には同地検が指紋で被告本人と確認し、千葉刑務所に収監された。
 公判は29年前に結審しており、当時の裁判長が記した「犯行は悪質で動機や目的において酌量すべきものはない」とする判決文を古田裁判長が代読した。このため逃亡の事実は量刑に影響しないという。
 判決によると、渡辺被告は46年7月26日早朝、千葉県成田市駒井野の成田空港建設用地で、土地明け渡しの仮処分命令を執行中の千葉地裁執行官や警備に当たった県警警察官らに火炎瓶を投げつけたり、竹やりで突いたりするなど暴行し公務を妨害した。
 開港から30年を迎えた成田空港の建設をめぐっては、国が用地の強制収用を進めたことで反対派農民や学生らの反対闘争が激化し、渡辺被告は予定地内の農民放送塔が撤去された際に抵抗し逮捕された。

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