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2008年06月20日(金) 04時24分

GPメンバーきょう逮捕へ 鯨肉窃盗容疑産経新聞

 警察当局は19日、環境保護団体の「グリーンピース・ジャパン(GP)」に対し、日本の調査捕鯨船「日新丸」の乗組員の荷物を盗んだ窃盗容疑などで、強制捜査に乗り出す方針を固めた。20日、団体幹部ら2人を逮捕、関係数カ所を家宅捜索する。反捕鯨活動の一環で、横領を告発した行為は窃盗事件に発展する見通しとなった。政府は7月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)前に、環境破壊防止を主張する反グローバリズム団体の動向に神経をとがらせ、取り締まりを強化していた。

 調べでは、GPメンバーは4月16日、「西濃運輸」青森支店の配送所に無断で侵入。鯨肉が入った段ボール1箱を盗んだ疑い。

 関係者によると、盗まれたのは日本鯨類研究所から委託を受け、調査捕鯨船「日新丸」に乗船していた「共同船舶」社員の荷物。帰港後の15日に東京から北海道の自宅に向けて発送されたが、翌16日に経由地の青森支店に到着した直後になくなったという。

 西濃運輸は、配送ミスの可能性もあるとみて調べていた。しかし、GPが5月15日の記者会見で送り主の了承を得ずに入手したと発表し、日新丸の乗組員12人に対する業務上横領罪の告発状を東京地検に提出したことを受け、青森県警に被害届を出していた。

 日新丸をめぐっては、米環境保護団体「シー・シェパード」の抗議船から3月上旬に南極海で調査捕鯨中、薬品入りの瓶などを投げつけられ乗組員ら3人が負傷している。昨年のドイツ・ハイリゲンダムサミットでは、経済のグローバル化が環境破壊を助長しているとする反グローバリズム運動の一部が暴徒化。政府は洞爺湖サミットを前に、こうした環境保護団体の動向を注視していた。GPは18日、サミットNGOフォーラムの一員として首相官邸を訪れていた。

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